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新潟2歳S

  • 2013年08月24日(土) 18時00分
 重要度が高まり、新潟で勝ち上がった馬だけでなく、今年は、新潟グループに、東京・福島・阪神・小倉・函館・中京で勝ち上がった馬が加わっている。独特の扁平コースで、長い直線を持つ新潟コースが初めての馬が10頭も含まれる。さらには、距離1600mの経験がない馬も12頭を数える。最近になるほど高配当の波乱が連続するのは当然かもしれない。

 最近7年間に馬券に関係した計21頭の中には、『11・16・9・15・15・9・10・9・10・9番人気』の人気薄の伏兵が、半分の10頭も含まれている。それも毎年必ず1頭は含まれているから、3連単作戦なら、伏兵中の伏兵を絡ませないとまずい。ふつうの伏兵に相当する『6・7・8』番人気程度のかわいい穴馬は、なぜか1頭も含まれていないから難しい。

 数字を並べたついでに再確認すると、長い直線が待っているから、めったにハイペースにはならなくなった最近5年だが、連対した10頭の4コーナーの位置どりは、『14・9・18・16・9・2・9・12・15・11番手』という記録がある。外に回り、直線の切れ発揮に賭けた馬の快走ばかりが目立っている。ペースがペースだからもっと先行馬が残っても良さそうだが、もう内を狙って伸びる馬場ではないのである。

 各地の馬場状態が怪しい中、日曜日の新潟は良馬場になりそうだが、例年と同じように、外に回っての追い込みに徹する馬が、最後に台頭する可能性がきわめて高い。

 伏兵アポロスターズ(父アポロキングダム)に期待する。福島の新馬を平凡な時計で抜け出して勝った際は、ボテッとした体型だったが、レースを使われて一変。たくましい体つきがシャープに映るように変わった。前回のダリア賞は4着どまりだが、内寄りに固まった馬群をさばけないと分かったあと、先に抜け出したグループの1番外に回るかなりのロスがあった。4着とはいえ、クビ・アタマ・クビ差だけ。その差0秒1。一歩早くスパートして鋭く伸びて2着のマイネグラティアの上がりは35秒2。アポロスターズはこれに見劣る35秒3の上がり3ハロンにとどまったが、ゴール寸前の大跳びの鋭い伸びは互角以上。エンジン全開の距離は短かった。ダリア賞組では、距離が1600mに伸びての可能性はこの馬がNo.1と思えた。

 父アポロキングダムは、日本で最初にエルコンドルパサー(その1歳下がアポロキングダムの父レモンドロップキッド)を送り、種牡馬としての成功を世界に予感させることになった種牡馬キングマンボの孫になる世代。キングマンボは、やがてキングカメハメハを送り、エイシンフラッシュの父キングズベスト(いまは輸入馬に相当)も成功し、世界でというより日本での成功がもっとも目立つ種牡馬となった。アポロキングダムは、年に10頭ちょっとしか血統登録馬のいない現在は地味な無名にも近い種牡馬だが、この2歳Sにはアポロムーンも出走している。新潟2Rにはアポロレジーナがいて、10Rにはアポロオラクルもいる。

 先週のゴールドヘイロー(トウケイヘイローの父)ではないが、一気に評価を高めそうなムードもなくはない。芝なら夏の平坦コースが最適だろう。スピード系でも距離は1600-2000m向きのはずである。

 勝ちタイムは遅かったが、追い込みにかかってからの勝負強さが光ったハープスター(ベガの孫)。ただ1頭この新潟1600mで勝っているダウトレス。これが相手の本線。以下イスラボニータ、マイネグラティア、マーブルカテドラル、デスティニーラブ、ピークトラムを連の相手としたが、アポロキングダムをネタに選らんだのだから、人気の圏外だろうアポロムーンも少し買いたい。追い切りは目立って鋭かった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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