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新潟記念

  • 2013年08月31日(土) 18時00分
 この夏の猛暑が応えたか、すでにサマー2000シリーズのチャンピオンが、トウケイヘイローに決定してしまっているせいか、例年フルゲートに近い多頭数のハンデ戦になるのに、今年は落ち着いた頭数になった。

 馬場状態は、しかし、非常に怪しい。途中まで大雨洪水注意報や、警報まで出ていた下越の豊栄地方は、土曜日の朝、ピーカンの秋空が広がり、最高気温予想は35度前後。土曜日の午前中は、芝はまだ稍重だろうが、このままだと、風もあるので完全な良馬場になる公算大と思える。まだまだ天候の変わりやすい気圧配置だから安心はできないが、心配された新潟記念の馬場状態は、良馬場と考えていい。

 逃げ候補は、ラッキーバニラ程度。新潟芝に【2-1-0-0】の良績はあるが、好走はスローで逃げた時だけ。ほかで主導権を握るとしたら、戸崎騎手のニューダイナスティくらい。9割方、一団にも近いスローだろう。超スローもありえる。

 先行してこそ良さが生きるニューダイナスティから入りたい。母方の影響が強く出たためか、ディープインパクトにしてはここまで速い上がりを記録したことは一度もなく、新潟2200mを2分11秒0のレコードで勝った際も、同馬の上がりは34秒8。

 最後の競り合いになると非常にしぶとく、交わされかけても差し返すように粘り強いから、自力でピッチを上げてスパートしたい。スローの流れを我慢してタメて待ち過ぎると危ないタイプだが、このメンバーで55キロなら、それほど鋭く切れる馬のいない組み合わせ。きわどく頑張れるとみる。

 幸い、今季の新潟の芝はそれほど高速ではなく、トレイルブレイザー、ダコール、カルドブレッサ、ファタモルガーナ、エクスペディションなどの男馬は、とくに鋭いわけでもない。

 ニューダイナスティの相手に怖いのは、軽ハンデの夏の牝馬。ふつうは横山典弘騎手が減量して51キロで乗るブリッジクライム、前回、1分57キロ秒9で勝ってきたサンシャインだが、好調キープのアカンサス(父フジキセキ)にもっとも魅力がある。

 直線だけの勝負になったときの牝馬の切れは、先週のハープスターが示した通り。平坦新潟で直線だけの勝負になると、牝馬の切れは倍化する。昨秋の東京2000mを直線一気、1分58秒7で差し切った際の数字も、前々回のエプソムCを突っ込んできた際の上がりも、33秒4-5にとどまるが、それは坂のある東京で、それほどはスローではない時の記録。新潟のスローなら、牝馬アカンサスはもっとずっと切れると思える。ニューダイナスティ、アカンサスの組み合わせを中心にしたい。

 小倉2歳Sは、狙っていたシゲルカガ(父パイロ、祖父A.Pインディ)が、今週の雨で多少とも内が荒れてきたところに、絶好の外枠を引いた。ここ2週の素晴らしい動きから、1分08秒台なら十分乗り切れるはずだと、期待したい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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