先月25日に行われたGIII新潟2歳S。記者はピークトラムを本命にした。中京での未勝利戦レコードVが根拠というわけでなく、一走ごとの上昇が顕著だったので「牡馬の成長力」にかけてみたのだ。
実際、デビュー戦時のパドックではキュウ務員さんに引きずられるように歩いていたが、新潟2歳Sの時はキビキビと自分の意思で歩いているように見えた。橋口調教師にパドックでの違いを聞くと「この前はちゃんとしていたな。やっぱり良くなっているんだろう」とのこと。それでも…レースはハープスターの末脚がすべてだった。
「うちの馬(3着)もメドが立ったし、走るのはわかった。ただ、この前は勝った馬が強過ぎる」と橋口師。レース直後の某競馬関係のホームページではハープスター関連の伸びがすさまじく、翌週の栗東でも関係者から「ちょっとあれは桁違い」の声ばかり。突然のニューヒロインの誕生に競馬界が沸きかえった…と言ってもいい反応だった。しかし、当のハープスターは新潟から帰キュウ後も、レース前と変わらずひょうひょうとしたもの。松田博調教師と馬房の前に行くと、黙々とカイバを食べていた。
「新潟に着いてから寝ワラまで食べていたのには参った。いつのワラかもわからないし、腹痛でも起こされたらかなわん。考えんといかんなあ」
旺盛な食欲に苦笑いの同師。同キュウ舎は“名牝”の宝庫だが、ここまでずぶとい馬はいなかったように思う。それはトレーナーも同じようで「ブエナビスタともレーヴディソールとも、ジョワドヴィーヴルとも違う」と言い切る。
一見、2歳馬離れしているように見えるが、そこはまだキャリア2戦の女の子。苦手なこともある。先週の木曜は丸馬場に入ってダクを踏んだが、1頭で行ったためにテンションが高め。近くで見ていても息遣いが荒く、いつものおっとりとした雰囲気がない。
「レースの後でもケロッとしていたのにな。他の馬といるとそんなこともないが、1頭だと逆に周りを気にするのかもしれない。これからは他の馬と一緒に調教していかないと」と松田師。併せ馬でも「抜き去ると後ろを待つように見える」というのも、実は他馬を恋しがっている? まあ、こうした面とあの末脚のギャップが何とも魅力的なのは確かだが…。
しかし、このハープスターでも安穏としてはいられない。それはレース後の「これからいくらでも出てくるさ。ウチからな」という松田師の不敵なひと言。そう、ライバルは身内にあり…というわけだ。
POGファンならご存じだろう。それがサングレアル(牝=父ゼンノロブロイ、母ビワハイジ)であり、函館から栗東へと帰ってきたレーヴデトワール(牝=父ゼンノロブロイ、母レーヴドスカー)。来週は、この未知なるライバル2騎にスポットを当ててみたい。
※本日は『トレセン発秘話』も更新されております。下部のバックナンバーからご覧ください。
今日の東京スポーツ一面
▼
東京スポーツ 今日の紙面・
【セントウルS】ティーハーフ 武豊を背に1馬身先着・
【セントウルS】サドンストーム 川田を背に力強い動き・
【セントウルS】ドリームバレンチノ 打倒カナロアへ2馬身先着・
【京成杯オータムH】フラガラッハ「馬場が悪かった割には動いた」・
【京成杯オータムH】ダノンシャーク 6ハロン79.8秒の好時計ブランケット版による大型紙面が大迫力となって読者の目を射る。夕刊時間帯による海外ゴルフ等の速報。未来の情報エリアをリードする総合スポーツ・レジャー紙は東京スポーツ、大阪スポーツ、中京スポーツ、九州スポーツの日本列島縦断の4社体制。特に東京、大阪、中京の3紙は、同時印刷を行っている。メイン紙面は東京制作であるが各紙各々地域に密着した紙面も制作している。九州のみ朝刊として発行、独特な紙面づくりを行っている。