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馬場が悪化したときのステイゴールド産駒

  • 2013年09月06日(金) 12時00分
 馬場が悪化したときのステイゴールド産駒は要注意だ。

 不良馬場を圧勝したオルフェーヴルの日本ダービーは、まだ記憶に新しい。マイネレーツェルが勝った2008年のロースS、バウンシーチューンが勝った2011年のフローラS、ナカヤマナイトが勝った2012年のオールカマー。いずれも舞台は重馬場だった。

 パワーに長けたステイゴールドの遺伝子にとって、雨の道悪、荒れて力のいる馬場は最高のお膳立てと言える。宝塚記念は梅雨時に行われ、有馬記念は冬時の荒れた馬場で行われる。両グランプリレースにステイゴールド産駒が強いのもうなずける。それが凱旋門賞でのオルフェーヴル、ナカヤマフェスタの好走につながっている。

 道悪でステイゴールド産駒が人気なら、馬券の信頼度が高いし、人気薄で穴をあける確率も高い。近走が不振でも、目をつぶって押さえておかねばならない。

 いつもいつも道悪で好走してくれるわけではないが、先週の札幌2歳S、新潟記念はそれを改めて思い知らされる結果となった。

 まず、土曜日の札幌2歳S。函館は洋芝でただでさえパワーを要求されるが、そこに大雨が降って当日は不良馬場。レッドリヴェールが2番人気に支持されたのは、道悪に強いステイゴールド産駒ということが、加味されてのものだったのだろう。

 確かに、出遅れて後方からの不利な競馬になりながら、3〜4コーナーで上がってくるとは、抜群の手応え。直線、馬場に脚を取られることもなく、2着馬との追い比べに持ち込み、そのまま押し切った。

 次いで日曜日の新潟記念。エクスペディションはこのハンデ戦で2番目に重い57キロ。近走が不振だったこともあり、8番人気の低評価だったが、やや重の馬場を先行してクビ差2着に逃げ粘った。勝ったコスモネモシンは52キロの軽量馬。このハンデ差がなければ楽に逃げ切っていたことだろう。

 今年は異常気象で、ゲリラ豪雨や台風が多発している。秋雨前線も活発化。しばらく天気予報とにらめっこしながら、ステイゴールド産駒を追いかけてみるとするか。

血統評論家。月刊誌、週刊誌の記者を経てフリーに。著書「競馬の血統学〜サラブレッドの進化と限界」で1998年JRA馬事文化賞を受賞。「最強の血統学」、「競馬の血統学2〜母のちから」、「サラブレッド血統事典」など著書多数。

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