今夏、猛威を振るったのは暑さだけではない。競馬界ではヨハネスブルグが大暴れ。小倉2歳Sを制したホウライアキコ、すずらん賞勝ちのフクノドリームなど活躍馬を続々と送り出した。2歳時に7戦7勝と驚異的な成績を残した血を産駒にも確かに伝えている。
もっと大きなくくりでいけば牝馬の活躍が挙げられる。小倉2歳Sは前出ホウライアキコだけでなく、2着も牝馬のベルカントが入り、函館2歳S(クリスマス→プラチナティアラ)、札幌2歳S(レッドリヴェール→マイネグレヴィル)も牝馬がワンツーを決めた。新潟2歳Sでもハープスターが快勝しており、牡馬の連対は同レース2着のイスラボニータのみ。夏の2歳重賞で牝馬は“準パーフェクト”を飾っているのだ。
「もともと牝馬は夏に強いといわれるけど、2歳の場合は早く仕上がる面もあるからね。各キュウ舎でいろいろ事情もあるだろうが、ウチはそういう感じでやっぱり牝馬が早くに入キュウするよ」とは坂口調教師。
坂口キュウ舎は昨夏のエーシンセノーテ(フェニックス賞勝ち)だけでなく、過去にもセントルイスガール(05年小倉2歳S2着)、エイシンサンサン(94年小倉3歳S=当時勝ち)など、早期デビューの牝馬が数多く活躍した実績があるだけに、言葉にも説得力がある。
今年もその傾向通りにエイシンオルドスを6月の阪神(芝内1200メートル)でデビューさせ、圧勝するところまではいったのだが、不運にもソエのため夏のローカル開催は全休。「稼ぎ時だと思っていたから残念だよ」と坂口師も苦笑いだ。
エイシンオルドスは2日に栗東に帰キュウ。「フックラとしたいい体になって帰ってきた。脚元の不安もなくなったので順調にいけば京都開催から使っていけると思う。今年の牝馬戦線はかなり手ごわいとは思うけど、やってみないことには分からないからね」。稼ぎ損ねた夏の分を秋にカバーできるか注目していきたい。
いずれにせよ、しばらく残暑は続く。まだまだ暑さに強い牝馬は要チェックだろう。
22日の阪神芝外1600メートル新馬でデビュー予定のオリエンタルポピー(父キングカメハメハ)は08年のオークス馬トールポピーの初子。「お母さんはいかにもジャングルポケット産駒という特徴が出て、トモなんかにちょっと甘いところもあった。こちらはその点がもっとしっかりしているように見えます」と母との比較をしてくれたのは角居調教師。母が苦労したゲート試験も1度は落ちたものの2度目に合格。「動きもいいですし、素質は高いと思います。レースを使いながら、いろいろと覚えていってくれれば」
現3歳世代では同キュウ舎で05年の日米オークスを制したシーザリオの子エピファネイアが活躍中だが、2歳世代はオリエンタルポピーがなぞる活躍を見せるのか。“お騒がせ娘”の初子の走りは見逃せない。
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