以前、とある調教師がこんなことを言っていたのが記憶に残っている。「逃げ宣言している馬が複数いても、それが関西馬同士なら共倒れしないよう、出走前の段階で調教師同士で呼吸を合わせることができる」
ヒルノドンカルロとウインアルザスがお互い引かずに共倒れした先週の神戸新聞杯などはまれなケース。普通は無駄な競り込みを避けるために逃げ馬を抱える陣営は同型馬の腹を探って、事前に妥協点を見つけることが可能だという。
ハイペース必至のメンバーで意外にすんなり隊列が落ち着くのも、案外陣営のこうした“ロビー活動”がものをいっているのかもしれない。それでも前述の調教師が言うには「関東馬と関西馬になるとそれもなかなか難しい」。
腹の探り合いの難しい遠隔地同士、ライバルの関東VS関西という図式もあって互いに敵意むき出しで、譲らずハイペースが醸成されることがあるという。今回のスプリンターズSはまさにその典型。関東代表の逃げ馬フォーエバーマークと関西のハクサンムーンがお互い譲らずに逃げると宣言している以上、猛烈な競り込みが見られるかもしれない。
西園調教師が「ウチのは2ハロン目に10秒を切るラップで行ける脚がある」と豪語するハクサンムーンとアイビスSDでこれに楽についていったフォーエバーマーク。どっちがハナを叩くかは非常に興味深いが、この競り合いが道中長引くようなら…後方でじっくり待機する馬にもチャンスが出てくるかもしれない。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
※本日は『吉田竜作マル秘週報』も更新されております。下部のバックナンバーからご覧ください。
今日の東京スポーツ一面
▼
東京スポーツ 今日の紙面・
【スプリンターズS】ロードカナロア 岩田「楽しみな一戦」・
【スプリンターズS】グランプリボス文句なし 坂路50.4秒の猛時計・
【スプリンターズS】サンカルロ 3馬身先着・
【スプリンターズS】フォーエバーマーク追撃 4ハロン50.1-11.9秒・
【スプリンターズS】ドリームバレンチノ 迫力満点の伸び脚ブランケット版による大型紙面が大迫力となって読者の目を射る。夕刊時間帯による海外ゴルフ等の速報。未来の情報エリアをリードする総合スポーツ・レジャー紙は東京スポーツ、大阪スポーツ、中京スポーツ、九州スポーツの日本列島縦断の4社体制。特に東京、大阪、中京の3紙は、同時印刷を行っている。メイン紙面は東京制作であるが各紙各々地域に密着した紙面も制作している。九州のみ朝刊として発行、独特な紙面づくりを行っている。