GIIデイリー杯2歳S(5日=京都芝外1600メートル)は中央開催に戻ってから初の2歳重賞。個人的に注目しているのは阪神の新馬勝ち内容が良かったアトムだが…。当4回京都開催にはこの注目のGIIですら、かすんでしまうかもしれない逸材が何頭もスタンバイしている。
2週目にデビュー予定のサウンズオブアース(牡=父ネオユニヴァース、母ファーストバイオリン・藤岡健)は、先月25日の坂路で4ハロン53.2-12.3秒をマーク。併走馬をラスト1ハロンで楽々と突き放す姿は、我々記者だけでなく、他のトレーナーの関心も呼んだほど。実際、記者も某調教師に「あれ、何の子?」と聞かれたくらいだ。
注目を集めたのはこの追い切りがきっかけだが、藤岡健調教師はそれこそ春の段階からサウンズオブアースに大きな期待をかけていたことは当コラムで伝えていた通り。春先に入キュウしながら、ここまで長期的な計画を立てて調整してきたことになる。
昨今は「のんびり1頭の馬だけに時間をかけていられない」のが競馬サークルの常識。1度使った馬を短期放牧に出し、代わりに牧場で休んでいた馬を入キュウさせて10日で使うのも、もはや珍しいことではない。サイクルを可能な限り早めることで、出走回数を増やし、勝利数を伸ばしていかなければ、淘汰されてしまうのだ。
藤岡健調教師も今や主流のこの経営感覚に近いと思い込んでいたのだが、少なくともこのサウンズオブアースの扱いは明らかに違う。
「間違いなく走る。だからこそネオユニヴァース産駒特有の気性面の危うさに気をつけながら、じっくりとやってきた」
慎重な姿勢はデビューを目前にした今も続いているが、陣営が心配するほど気難しさを見せていないのは、その苦労が実を結んでいるからこそ。デビューまで無事にこぎつけ、万人にそのスケールの大きな走りを見せつけてほしい。
先週の当コラムでゲート試験合格を伝えたレーヴデトワール(牝=父ゼンノロブロイ、母レーヴドスカー・松田博)もむろん要チェック。こちらも25日のウッド併せ馬で年長馬をアオる圧巻の動きを披露。「最初にウッドに入れた時は物見をして進んでいかなかった。それを思えば大きな進歩だな」と松田博調教師も思わず目尻を下げたほどだ。急速な進化を受けて初陣予定もグッと現実味を帯び、「水曜(2日)の追い切り次第やけど。川田に乗ってもらっての感触次第では今週の競馬に使う可能性もある」。
果たしてこの超大物が京都開幕週に早々と姿を現すのか。その動向にも注目してほしい。
※本日は『トレセン発秘話』も更新されております。下部のバックナンバーからご覧ください。
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