京都大賞典は昔に比べると多少は好配当になる余地が増しているが、かといって波乱が期待できるというほどではない。毎日王冠はマイルっぽい馬と中距離っぽい馬が触れ合うことで荒れる要素が生まれる。しかし、古馬の2400m路線は力関係が比較的はっきりしているし、そこへさらにG1馬の加量が減ったことで、今年のような一人横綱の際は堅くなる可能性が強いと考える。
既にお分かりかと思うが、◎は素直にゴールドシップとするつもりだ。前走G1出走馬が京都大賞典で1番人気になると、その馬はほとんど崩れない傾向がある。平成以降全体でも(10.5.0.2)と実に連対率88.2%。崩れたのはスペシャルウィークとアルナスラインで後者はG1タイトルの無い中での1番人気だったから、ゴールドシップのような前走G1勝ち馬は相当に信頼度が高い。
ゴールドシップの場合、負けるとしたら力負けというよりは「エンジンに着火しなかった」という感じの負け方だろう。そちらのシナリオに行くとしたらこれはもうデータ予想とかの話ではないので、ポジティヴなシナリオしか考えないことにする。
ちなみに、前走G1組はここで2番人気になったケースでも過去(1.1.1.1)と堅調なので、トーセンラーが2番人気ならここまでは素直に認めてしまってよい。ただ、同じ前走G1組でもそれ以下の評価となる馬は信頼度がぐっと下がるので、他の前走G1組は敢えて軽視していこうかと個人的には考えている。
▲以下にはどのような馬を候補として考えていけばよいか。本来少しでも良い配当を追求しようとしたら先行タイプの残り目、悪い言葉で言えば「まぐれ残り」を期待するのが良いのだが、京都大賞典は開幕週の重賞でありながら先行馬が残りづらいレースである。タップダンスシチーやセイウンスカイは逃げ切っているが、彼らはG1級の馬。明らかに力の劣る馬が前残りを目指すのはけっこう大変である。まして今回は◎○が1,2着した場合の3着馬を拾う感じでいいわけだから、差しタイプ重視でいきたい。
前走でどんな距離を使われてきたかも重要だ。G2・G3組で絶対数が多いのは札幌記念や新潟記念などの前走2000m組だが、この組は人気サイドの馬が馬券に絡むことはあっても穴にはなりづらく、過去10年の回収率は単複ともに50%台に過ぎない。
一方でオールカマーなどの2200m組、阪神大賞典からの休み明けとなる3000m組からは穴が出ている。2000mを超える距離から来た馬を重視したいところだ。
今回の出走馬でいうと目黒記念組ということになるし、アドマイヤラクティは私が言わなくても皆さん買う馬だろう。しかし、同馬だけでなくデスペラードも押さえておきたい。1着を取るイメージは全く湧かないが、差し追い込みタイプが強いという傾向に乗って3着に食い込むイメージは十分に湧く。
前走2000m組からも1頭くらいは拾っておきたいが、これは難しい。個人的に馬としてはアンコイルドの能力を買っているのだが、同馬は前寄りからの競馬になるだろう。ここは脚質優先でオールザットジャズを選んでおきたい。