前哨戦に強くて本番に弱い。中尾調教師がマジンプロスパーに抱くイメージはそのようなものだったという。12年阪急杯に快勝して本番の高松宮記念は5着。翌年の阪急杯もロードカナロアの0秒1差(2着)に食らいつきながら本番では6着と差を開かれた。それが、今年のスプリンターズSは見せ場たっぷりの0秒2差4着。これにはトレーナーも「やっとGIでも走ってくれた」と安堵の表情だ。
前哨戦に強くて本番はダメ。確かにこんなタイプの馬はいる。単純にGIでは力が足りないのか、それとも常に全力で走ってしまうからGIではお釣りが残っていないのか、理由は様々だろう。
デニムアンドルビーがそのタイプと断言するわけではないが、強烈Vを決めたフローラSからオークス(0秒5差3着)の落差を考えると、その可能性もあるかと勘繰ってしまう。特に今年のローズSは、台風の影響でかなり悪くなった馬場で行われたもの。3歳牝馬があの馬場で後方→マクリの競馬で勝ち切ったことに関して反動は出ていないのか? 少なくとも、本番を見据え好位づけの競馬を試みて余裕しゃくしゃくで勝った昨年のジェンティルドンナほど完璧なトライアルだったとは言えない。
実際、過去10年でローズSが重馬場で開催された08年はムードインディゴ(ローズS2着→秋華賞2着)以外、ローズS上位組は揃って惨敗している。むしろ、今年狙うべきは、ローズSに出ていなかった組? 夕月特別を快勝してここに臨んできたスマートレイアーは、レース2週後の先週、早くもウッドで6ハロン80秒台の時計をマーク。体も「すぐに回復して先週時点で474キロ。具合は良すぎるぐらい」(加藤助手)とか。体力を存分に残して向かう大一番。デビュー190日目、最速の秋華賞制覇の可能性は十分にありそうだ。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
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