水曜朝には普段と同じように栗東トレセンで調教をつけていた武豊が、凱旋門賞を振り返って出てきた言葉は「ビックリするほど勝った馬が強かった」。
池江調教師も同意見。「おそらく日本のGIレベルと欧州のGIレベルの層は差がないけど、こっちでは20年に一度ぐらいしか出てこないような馬が5年に一回ぐらいのペースで出てくる。そういう馬が今年も出てきたということ。仕方がないね」
仏オークス後にカタールのシェイク・ジョアン殿下にトレードされ、追加登録で凱旋門賞に出走してきたトレヴ。そういう“非正規ルート”からあれだけの強烈な馬が出てくるのが世界の広さなのだろう。
「あの馬は歴代最強牝馬じゃないかな。普通フォルスストレートから動いて行ったら、最後まで脚が続かない。それがゴール前でオルフェーヴルが詰め寄っての2着ではなく、直線でさらに突き放された。あんなレースはこれまで見たことがない」(池江調教師)
それでもトレーナーのチャレンジスピリットは少しも失われてはいない。
「日本馬が2頭凱旋門賞に出て2、4着。フランスの馬がジャパンCに来てもそこまで結果を残すことはないでしょ。あと少しのところまでは来ているし、また強い馬を連れて挑戦したいね」
オルフェーヴルはもちろんのこと、3歳馬キズナがあれだけのパフォーマンスを見せることができたというのは今年の収穫。今回の2頭の挑戦は今後凱旋門賞に挑戦する日本馬にとって貴重な糧となることだろう。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
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