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今年も難解な結末必至/府中牝馬S

  • 2013年10月13日(日) 18時00分
 牝馬にはムラな成績を残す馬が珍しくないが、今回の組み合わせで主役となる実績上位の5歳、6歳馬には、とりわけ難しい馬がそろっている。内から順に、いつも人気のマルセリーナが勝った3走前は、見離されて7番人気だった。マイネイサベルが鮮やかに勝ったのは4走前、6番人気の評価だった。

 コスモネモシンが約3年半ぶりに勝ち星を記録した前走の新潟記念は、10番人気。スピードリッパーが勝ちそうになりながら惜しくも2着だった前走は、しんがりの8番人気である。ベテラン6歳レインボーダリアが勝ったエリザベス女王杯は、7番人気。G1馬となったが、あれ以来音沙汰はない。ホエールキャプチャの久しぶりの連対は2走前、なんと12番人気だった。パワースポットの連突入は3走前のことで、5番人気である。ドナウブルーはだいたいいつも人気で、ときどき連対しているイメージがあるが、もう1年以上連対したことがない。みんなそれなりに名の通った活躍牝馬だが、最近の成績は非常に怪しい馬ばかりである。

 そういう古株に挑戦する3歳、4歳馬は、こちらは力をつけている最中なので、近走の成績は悪くない。もっとも、昨年のオークスでなんとジェンティルドンナを抑えて1番人気になったミッドサマーフェアは、十分に怪しい。あれ以来、8戦全敗で連対もなしだから、今回は内田騎手にチェンジしてきたが、評価はされない。

 こういう組み合わせだから、最近の傾向通り、今年もかなり難しい結果が準備されているのだろう。

 ひと息入ったあとだけがちょっと不安だが、切れ味に勝る4歳アロマティコから入りたい。昨年の秋華賞で、ジェンティルドンナから0秒2差の3着。追い込み一手とあって、必ずしも安定したレースをしているわけではないが、毎回のようにメンバー中No.1の切れを発揮している。1度だけ崩れた印象のヴィクトリアマイルも、10着とはいえ、差は0秒5だけ。上がり33秒2はメンバー中No.1だった。

 平坦巧者を送るファミリー出身とあって、前回の新潟のようなコースが理想だが、同じ坂があるコースなら、東京がいい。坂を上がってからの距離があるから、そこで切れを爆発させることができる。

 東京の1800mはペースがもたらす有利不利がもっとも少ないコースとされるが、アロマティコの場合はもともと先行馬崩れに乗じて突っ込む差し馬ではない。この頭数なら、馬群もさばきやすい。切れで上回る。1800mもベストだろう。

 波乱必至とみて、相手筆頭は、休み明けでも仕上がり絶好と思える4歳ゴールデンナンバー、次いで3歳スイートサルサ。ハナズゴール。そのあとに、古馬のマイネイサベル、ホエールキャプチャとする。ここまで人気が下がったら、ミッドサマーフェアもおさえたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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