G1レースの予想では、ステップレースのうちどこから来る馬がいちばんアテになるのか、という視点が必要になる。
その際基準の取り方はいろいろあるが、今回は「前走3着以内」「前走3番人気以内」に該当する馬だけを対象に前走レース別成績を調べてみることにしよう。人気にもならなければ好走もしていないような馬によって、勝率や複勝率が希薄化することを防ぐためである。対象期間は、サンプル数を増やすため過去20年としてみた。関係するレースの施行条件が変わったり、東京の改修が行われたことを無視する形になるが、実は過去10年でも20年でも結論はそう変わらない。
まずは前走3着以内限定の場合…
※(レースの登場順は天皇賞秋における着度数順)
※札幌記念はG2昇格以降のみ
前走レース[勝率→複勝率→単回収率→複回収率%]
毎日王冠[13.2% 31.6% 97% 92%]
札幌記念[25.0% 41.7% 942% 226%]
京都大賞典[8.7% 17.4% 25% 25%]
宝塚記念[16.7% 41.7% 42% 69%]
神戸新聞杯[33.3% 66.7% 216% 116%]
新潟記念[16.7% 16.7% 706% 96%]
南部杯[100.0% 100.0% 2000% 390%]
オールカマー[0.0% 7.7% 0% 10%]
神戸新聞杯、新潟記念、南部杯は少ない出走頭数の中から好走馬が出てここに入っているものなので、分析対象は他のレースとする。
「良く来る」のは札幌記念組と宝塚記念組だが後者は人気になるぶん回収率が伸びない。毎日王冠は勝率・複勝率はやや落ちるが回収率は90%台。京都大賞典は、出走メンバーが充実していた時期を含めても成績が冴えない。もっと冴えないのはオールカマーで、着度数でいうと(0.1.1.24)。今年は上位3頭がともに登録しているが、シルシの対象に選んでも1頭、それも△程度でいいだろう。
前走3番人気以内を基準にするとこうなる…
前走レース[勝率→複勝率→単回収率→複回収率%]
毎日王冠[18.9% 37.8% 160% 87%]
京都大賞典[12.0% 32.0% 50% 92%]
宝塚記念[21.4% 35.7% 55% 51%]
札幌記念[25.0% 50.0% 466% 171%]
神戸新聞杯[25.0% 50.0% 162% 87%]
新潟記念[20.0% 20.0% 848% 116%]
南部杯[50.0% 50.0% 1000% 195%]
オールカマー[0.0% 16.7% 0% 38%]
京都大賞典の地位が多少上がるくらいで、結論はほぼ同じ。単純に考えると札幌記念組が「買い」だが、今年は特殊な馬場・特殊な展開だったのでそこをどう考えるかだろう。ちなみにオールカマー組はこの基準でも(0.3.1.20)。やはりここから軸候補は選びづらいというグループである。