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みやこS、買いやすい馬とリスクのある馬

  • 2013年11月01日(金) 18時00分
 みやこSはまだ3回しか行われていない重賞だけに、データ的な切り口で予想するのは難しい。各馬の見せてきたパフォーマンスや、コースそのものの傾向から考えていくしかないだろう。

 とはいえ、過去3回いずれも1番人気馬が連対しているので、その点は意識しておきたいところ。ダート重賞のグレード別定はG1馬に厳しいままだが、そもそもダート界は上下の力量差がはっきりしているので、結局格上タイプの馬が強かった、ということはこのレースに限らずよくある。

 今回の1番人気候補はローマンレジェンドかグレープブランデーあたりだろうが、この2頭ならばローマンレジェンドのほうが買いやすい。その違いは位置取りだ。

 京都ダート1800mは、他のダート&コーナー4つのコースがほとんどそうであるように、逃げ・先行有利のコースである。しかも、クラスが上がってもその傾向が強い。

 上位クラスでは差し馬が届きやすくなるコースも多い中、京都ダート1800mは準オープン以上に限定しても逃げ・先行馬の回収率が100%を超えているし、勝率・連対率・複勝率で見ても先行馬と差し馬のギャップが大きい。もちろんレースによっては差し馬が届くこともあるわけだが、グループとしてどちらを買うべきかとなると先行タイプだ。

 人気2頭ならば道中はローマンレジェンドのほうが前にいる形のほうが自然。今回は久々&初の59キロということもあって買い控える人もいるだろうが、鞍上が斤量を意識して早めの競馬をしてくれれば、そちらの要素は不安材料ではなくなる。

 位置取りということでは、3番人気以下でシルシが付くレベルの馬には位置取りがリスクになりそうな馬が何頭かいる。

 興味深いのはケイアイレオーネがどんな位置で競馬をするかだ。前走は鮮やかな差し切りだったが、あれに味をしめて「溜めたほうが良い」という競馬をすると、展開次第では不発になる危険もある。

 ナイスミーチューは直線ズドンしかない馬かと思ったら、前走ではある程度積極的な仕掛けを見せた。ただ本来のスタイルを大きく変えてくるとは考えづらいので、買うとしてもおっかなびっくりの△、というような形にならざるをえない。

 人気サイドで個人的にいちばん買いたいのはブライトラインだ。芝だと差す競馬をしていたのにダートだと1200mでも前に行けるあたり、本質的にダートは合うのだと思う。前走はレコードが出るような馬場と展開になってしまったが、「普通のダート戦」でもう一度評価してみたい。

 位置取りということではインカンテーションあたりも注目したい1頭。反対にグランドシチーはこのコースだと「まあまあ差してきて、まあまあ届かない」というスタイルが前面に出てしまいそうに思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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