今週のマイルCSは主役不在。G1勝ちがあって近走成績も盤石という馬はいない。近走内容からダノンシャークあたりが1番人気かもしれないが、仮にどの馬が1番人気に推されたとしても、配当はそれなりにつくだろう。
そこで今回はレースそのものではなく、平地G1における単勝オッズ帯別の1番人気馬成績を御紹介したい。
年頭から単複に給付金がついていた1992年以降の平地G1における1番人気馬を、そのオッズ帯別に集計すると以下のようになる。
オッズ[着度数]勝率,単回収率
1.0-1.4[29-6-2-4/41]70.7%,88%
1.5-1.9[25-16-10-18/69]36.2%,60%
2.0-2.9[63-29-26-57/175]36.0%,86%
3.0-3.9[29-20-11-49/109]26.6%,91%
4.0-4.9[8-4-4-22/38]21.1%,92%
5.0-6.9[0-2-0-5/7]0.0%,0%
単勝1.4倍以下は、給付金時代にはプレミアム相当分が無かったはずだが、それでも単勝回収率は健闘している。それに比べると1.5-1.9倍はけっこう成績が悪く、2倍台から持ち直し、3倍台、4倍台では単勝回収率が90%台に乗って好成績となっている。5倍台は期間内に7頭しか該当馬がいないので、評価は難しい。
当たり前の話だが、単勝オッズの安い馬のほうが有力度は高いので勝つ頻度は高い。1番人気にしてはついている、という馬は取りこぼしもある。しかし回収率で締めると、後者のほうが相対的には有利だ。
ちなみにG1の2番人気馬にはこの理屈が通用せず、
オッズ[着度数]勝率,単回収率
2.0-2.9[11-1-5-8/25]44.0%,119%
3.0-3.9[22-21-17-40/100]22.0%,78%
4.0-4.9[21-23-9-53/106]19.8%,87%
5.0-6.9[16-22-21-100/159]10.1%,56%
7.0-9.9[4-7-6-19/36]11.1%,84%
10倍以上[0-4-0-9/13]0.0%,0%
このようになっている。1番人気と拮抗した2番人気は回収率を伴って強いが、離れた2番人気は逆転しての1着が望みにくくなる傾向にある7.0-9.9倍の勝ち馬があと1頭少なかったら、完全にその傾向となっていた。
人気割れのG1はあれも怖いこれも怖いとなってしまいがちだが、買い目を絞りたい人は、目をつぶって1番人気馬の単勝、あるいは1番人気1着固定の馬単・3連単というのも検討の価値がある選択肢だ。