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人気割れG1の1番人気馬

  • 2013年11月12日(火) 12時00分
 今週のマイルCSは主役不在。G1勝ちがあって近走成績も盤石という馬はいない。近走内容からダノンシャークあたりが1番人気かもしれないが、仮にどの馬が1番人気に推されたとしても、配当はそれなりにつくだろう。

 そこで今回はレースそのものではなく、平地G1における単勝オッズ帯別の1番人気馬成績を御紹介したい。

 年頭から単複に給付金がついていた1992年以降の平地G1における1番人気馬を、そのオッズ帯別に集計すると以下のようになる。

オッズ[着度数]勝率,単回収率
1.0-1.4[29-6-2-4/41]70.7%,88%
1.5-1.9[25-16-10-18/69]36.2%,60%
2.0-2.9[63-29-26-57/175]36.0%,86%
3.0-3.9[29-20-11-49/109]26.6%,91%
4.0-4.9[8-4-4-22/38]21.1%,92%
5.0-6.9[0-2-0-5/7]0.0%,0%

 単勝1.4倍以下は、給付金時代にはプレミアム相当分が無かったはずだが、それでも単勝回収率は健闘している。それに比べると1.5-1.9倍はけっこう成績が悪く、2倍台から持ち直し、3倍台、4倍台では単勝回収率が90%台に乗って好成績となっている。5倍台は期間内に7頭しか該当馬がいないので、評価は難しい。

 当たり前の話だが、単勝オッズの安い馬のほうが有力度は高いので勝つ頻度は高い。1番人気にしてはついている、という馬は取りこぼしもある。しかし回収率で締めると、後者のほうが相対的には有利だ。

 ちなみにG1の2番人気馬にはこの理屈が通用せず、

オッズ[着度数]勝率,単回収率
2.0-2.9[11-1-5-8/25]44.0%,119%
3.0-3.9[22-21-17-40/100]22.0%,78%
4.0-4.9[21-23-9-53/106]19.8%,87%
5.0-6.9[16-22-21-100/159]10.1%,56%
7.0-9.9[4-7-6-19/36]11.1%,84%
10倍以上[0-4-0-9/13]0.0%,0%

 このようになっている。1番人気と拮抗した2番人気は回収率を伴って強いが、離れた2番人気は逆転しての1着が望みにくくなる傾向にある7.0-9.9倍の勝ち馬があと1頭少なかったら、完全にその傾向となっていた。

 人気割れのG1はあれも怖いこれも怖いとなってしまいがちだが、買い目を絞りたい人は、目をつぶって1番人気馬の単勝、あるいは1番人気1着固定の馬単・3連単というのも検討の価値がある選択肢だ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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