ひと回りの成長が期待されたアドマイヤドン(父ティンバーカントリー)の馬体重は、458キロ。馬体重増だけが成長ではないが、480キロ近くあってもいいと思える4歳の秋の始動。この馬、強い追いきりをこなすと、たちまちスッキリ体を作ってしまうようだ。
それだけに仕上がりにはまったくスキはなく、初の59キロ、長期休養明け、初の札幌ダートを少しも苦にすることはなく、期待を上回る大楽勝だった。
大半のメンバーはすでに峠を越えつつあるベテランだったとはいえ、59キロを背負って重賞9馬身差の独走は凄い。前半の1000m通過が61.0秒。スマートボーイの逃げは、昨年より、さらには一昨年よりピッチが上がらずスロー。前半はなだめていたが、アドマイヤドン(安藤勝)は向正面からもう動き出した。行きたがったわけではないが、アドマイヤドンはズブいダート巧者ではなく、軽いスピードにもあふれている。
自分で動いてひとまくり。この馬自身の上がり3ハロンは36.4秒。最後の1ハロンは12.2秒でまだ余力十分。一気に9馬身も離した。大目標のJCダートを展望すると、もっとズブいぐらいでも良く、やや気が良すぎるのが死角だが、大幅にスケールアップはしている。展望は大きく広がった。
同じ59キロのイーグルカフェはまったく動けず10着。もともとムラな馬だが、はじけるような動きをみせた昨秋のJCダートのころに比べると、ただ攻め馬で好時計を出しているだけで、気配平凡。デキ一歩だった。
4着にとどまったとはいえ、エクセシヴワードは立派。これでオープンでのメドが立ったといえる。55キロのプリエミネンスは、このペースで抵抗することなく後退。大きく崩れた。牝馬がこうなったときは、エクセシヴワードの半姉ファストフレンドと同じで、競走馬としての時代は終了した。