今年のジャパンCは3強の様相。しかし、虎視眈々と栄冠を狙う伏兵勢も多数おり、その1頭に挙げられるのがアドマイヤラクティ。意外にも思えるが、同馬にとってGI挑戦はこれが2度目。まだ競走馬としての全貌が晒されたわけではなく、逆転の可能性を大いに秘めている。(取材・文:馬サブロー・松永篤)
◆デビュー前からかなりの期待 今でこそ中長距離戦線の常連となったアドマイヤラクティだが、決して早くからスターダムにのし上がったわけではなく、どちらかと言えば叩き上げタイプ。それでも管理する梅田智之師はデビュー前から、その潜在能力の高さを肌で感じていたという。
「アドマイヤラクティは新馬戦前から馬っぷりの良さが目立っていましたし、血統的にも期待を寄せていた1頭でした。当時からこれはかなり走るんじゃないか…と思わせるだけの雰囲気がありましたよ。ただ、成長が奥手なのか、早い時期はいい結果が出せませんでした。
皐月賞トライアルの若葉Sにも挑戦したのですが、結果は5着。出走権利が獲れていればクラシックの道を、と考えていましたからね。3歳の秋に500万条件を勝ったあと、何とか菊花賞を使いたかったのですが、そこは抽選除外に。結局、牡馬クラシック3冠(レース)には出走することはできませんでしたが、それでもこの馬はこの先走ってくると思っていました」
◆条件戦を勝ち上がるのに14戦 大器晩成。クラシックに出走できず、古馬になって台頭してきたアドマイヤラクティにはその言葉のイメージが当てはまる。思い起こせば父ハーツクライもある