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ややメンバー手薄のジャパンC

  • 2013年11月22日(金) 18時00分


 今年のジャパンカップは正直なところ選手層がやや手薄。人気も偏るだろうから、人気サイドから攻める場合はかなり絞っていかないとならない。

◆外国馬なら「しぶしぶ」ドゥーナデン

 まずは外国馬3頭から見ていこう。
 ジョシュアツリーは毎年カナディアンインターナショナルのときだけ確変を起こすが、その他のレースではアテにしづらい。昔のジャパンカップは同レースと相性が良かったが、それは当時の北米馬がそこそこ強かったことが影響しており、現在およびこの馬にはあてはまらない。来日歴がなければ騙されてみることもできるのだが、それもできない。

 シメノンは平地と障害の両刀使いで面白いキャラクターだが、平地についてはステイヤー色が強すぎる。中山グランドジャンプに来るならちょっと買ってみたいが、ここでは厳しい。

 ドゥーナデンもスタミナが勝っている印象だが、シメノンよりは2400mも大丈夫。これまで好走してきたG1レースの格もそれなりだ。3頭の中からどうしても1頭選べと言われたらこれだが、それも「しぶしぶ△」という程度である。

◆ジェンティルは馬券のどこかには必要

 一方、日本調教馬はどうか。
 そもそも、ジャパンカップで全くノーヒントに近い日本調教馬が好走することというのはほとんどない。「前走G1で好走」「前走G1で人気」「海外遠征帰り」「前走G2勝ち」「過去にG1実績があって前走はG2で2着」。これらに全くあてはまらない馬というのはジャガーメイルなどごく少数しかいない。

 そういう意味でやはりジェンティルドンナは馬券のどこかには必要だろう。前走はあっさり差されたので印象が悪いが、厳しい流れの中、前にいて残った唯一の馬でもある。

 エイシンフラッシュも天皇賞秋は大きな収穫だった。スローペース、上がり勝負専用馬だと思われていたが、真逆の趣旨である前走で好走できたのは大きい。年齢的に衰えが危惧される時期だが、むしろ充実してきているのかもしれない。

 アンコイルドは人気薄だったが4着と好走した。一時期の低迷は状態もパンとしていなかったようで、そこを脱した以上ここでも好走が期待できる。

 ゴールドシップはなんとも評価が難しい。馬が走る気になれば走るし、そうでなければ走らない。人間がどう理屈をこねくりまわしたところで、調教やパドック、返し馬にヒントがあるとは思えない。もちろん走る気になれば勝ってしまうこともあるが、あくまでクジ引き的な馬券になる。今回は相手が弱くてさほど人気落ちしなさそうなのが厄介なところ。ここも負けて有馬記念で完全に人気落ち、というところまで待つ手もあるかと思う。

 アドマイヤラクティルルーシュ、といったところは例年だと一枚も二枚も足りないはずなのだが、今年はメンバーが薄いぶん無いとは言えない。ただ、「あるかも」レベルの馬を取り始めると際限がないので、自分の基準に基づきどこかで線引きをしていく必要はあるだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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