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阪神ダート1800mでの逃げ

  • 2013年11月26日(火) 12時00分


◆コーナーを4つ回るダートコースの逃げ馬

 阪神に移ってからJCダートは5回行われ、1番人気馬は1着が3回と3、4着が各1回だった。

 勝った3回はトランセンド×2+エスポワールシチーでいずれも逃げ切り。残り2頭は中団以降からの競馬だった。

 人気馬が逃げているのだから目標にされそうなものだが、先述の3回は逃げが好結果に繋がっている。一方で、たった3回というのはいかにもサンプルが少ない。

 そこで阪神ダート1800mは他の「コーナー4つを回るダート」のコースに比べて人気馬の逃げ粘りがききやすいのかどうか、調べてみた。

 JCダートが阪神に移った2008年以降、1番人気馬の逃げが50回以上発生しているコースにおける、その逃げた人気馬の成績がこちら。

コース      着度数      勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
阪神・ダ1800 56- 19- 5- 28/108 51.9% 69.4% 74.1% 110 90
中山・ダ1800 47- 14- 17- 29/107 43.9% 57.0% 72.9% 93 90
京都・ダ1800 44- 21- 10- 24/ 99 44.4% 65.7% 75.8% 94 95
小倉・ダ1700 44- 20- 10- 25/ 99 44.4% 64.6% 74.7% 103 97
新潟・ダ1800 39- 12- 8- 20/ 79 49.4% 64.6% 74.7% 110 94
福島・ダ1700 32- 9- 10- 14/ 65 49.2% 63.1% 78.5% 108 101
函館・ダ1700 25- 7- 9- 13/ 54 46.3% 59.3% 75.9% 96 94
札幌・ダ1700 24- 20- 4- 20/ 68 35.3% 64.7% 70.6% 92 92

 逃げたという状態が確定した上での成績なので、数値はどこも良い。そんな中、阪神ダート1800mは勝率と連対率がトップ、単回収率がトップタイ。やはり逃げて損は無いようだ。

 ちなみにこれを1番人気だけでなく1〜3番人気に拡大しても、阪神ダート1800mより上に来るのは新潟と函館くらい(旧中京1700もだが、既にコースが無い)で、中央場所ながらかなり逃げ残りは利く印象だ。

 ホッコータルマエが腹をくくって逃げるという可能性は低いだろうが仮にそうなってもマイナスではないだろうし、反対に、他の上位人気馬は逆転を目指すために腹をくくってハナを切るという手はある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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