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4歳から11歳まで揃ったレースを制するのは…/ステイヤーズS

  • 2013年11月29日(金) 18時00分


◆馬券を買うならベテランホースたちは…

 トウカイトリックの祖母メイドインアメリカの半兄には、スタミナ系として知られた種牡馬トラフィックがいた。タフな血を伝えたトラフィックは、今年の「ジャパンCダート」に最ベテランの8歳馬として出走するエスポワールシチーの3代母コンパルシチーの父である。

 3代母カペレットの半妹には、名繁殖牝馬として知られるクイル(父プリンスキロ)が登場する。いまも日本の牝系に絶大な影響を与え続けるマルゼンスキーの祖母にあたる牝馬である。だいたい、こういうファミリーからしてタフで丈夫。

 対戦する4歳エックスマークの父であり、チャンピオンサイアーとしてすでに不動の地位を築きつつある種牡馬ディープインパクトとは同期。こちらの方が1ヶ月早く生まれている。神戸新聞杯や、阪神大賞典、天皇賞(春)で対戦したことがある。

 長距離とされる2500m以上に33回も出走して、【5-3-4-21】の成績があり、今回の3600mのステイヤーズSは「7回目」の挑戦になる。

 そういう11歳馬トウカイトリックを筆頭に、10歳ネヴァブション、10歳マイネルキッツが元気に顔をそろえた。現役の7歳や8歳馬を、ベテランホースならともかく、老齢馬などと形容するのはやっぱり間違っている。人間なら…の換算は難しいが、たぶんちょっと鈍ってきたイチローぐらいだろう。

 とはいいながら、走る側は5着でも6着でも賞金があるからいいが、馬券を買うとなると10歳馬や11歳馬は連穴に押えてもいいか程度。

◆距離は問題なし、横山典弘騎手で重賞初制覇を

 5歳デスペラード(父ネオユニヴァース)から入る。昨年、10歳のトウカイトリックが6回目にして初めて勝ったときに人気馬として出走していたが、1周目はポツンと離れた最後方追走。2周目に入って後方の一団にとりつくと、向こう正面から強引にロングスパート開始。4コーナーでは先団に追いついたものの、さすがに最後の坂の1ハロンで脚が乱れ、中団のインで我慢していたトウカイトリックに差し返され、先行していたファタモルガーナにも差し返されるように3着にとどまった。強引すぎた印象が濃く、ある程度流れに乗って追走からのスパートなら、勝っていたと思える0秒2差だった。

 前回から乗り代わっている横山典弘騎手は、長距離戦のペース判断、スパートのタイミングの正確さはピカ一。トウカイトリックが10歳時に、マイネルキッツが8歳時に制した3600mを、こちらは5歳で制したい。今春の阪神大賞典ではゴールドシップから0秒3差の2着だった。父ネオユニヴァース。母方に配されてきた種牡馬は、トニービン、ブライアンズタイム、ノーザンダンサー、ヒズマジェスティ…。距離は十分こなせる。

 やっと体がしっかりしてきた同じネオユニヴァース産駒の5歳馬ユニバーサルバンクと、長丁場では崩れないコスモロビンが本線。穴馬には、昨年そう差のない6着に突っ込んでいる好調サイモントルナーレをぜひ加えたい。

 中京の「金鯱賞」は、前回は最初からかかりなし崩しになったムスカテール(父マヤノトップガン)をもう一回狙いたい。M.デムーロ騎手に合うはずだ。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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