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阪神JFの前走重賞好走組

  • 2013年12月03日(火) 12時00分


◆他人の声に惑わされない予想が必要

 今年阪神JFに登録している馬は23頭。そのうち約3分の1にあたる8頭は前走オープンで掲示板を外しているが、この馬たちにとって今回はかなり厳しい戦いになる。

 過去10年の阪神JFに出走した前走オープン組は91頭。うち前走で掲示板を外していた馬は24頭だが、その成績は[0-0-1-23]。コンコルディアが3着した以外は全滅だ。

 前走4〜5着と惜しいところで馬券を外していた馬ですら成績は厳しく、[1-0-1-15]。ショウナンパントルが勝っているが、同馬の前走は牡馬もいるデイリー杯2歳Sで、5着とはいえ2着からはクビ・ハナ・アタマでタイム差なしだった。

 ちなみに着差で取ると0.5秒がボーダーラインで、前走オープンを0.6秒以上負けてきた馬は[0-0-1-27]。ちなみに今年は着順でカットしたほうが対象頭数が多いのだが、年によっては着差で見たほうがよいこともあるだろう。

 さらに、オープンといってもオープン特別と重賞があるが、オープン特別組は[0-0-1-20]。これは重賞でありながらまだグレードが付いていないアルテミスSも含んでいる。現時点ではファンタジーS、デイリー杯、そして夏重賞が主要ルートということになる。アルテミスSは、本番との距離差が無いので本物の(?)オープン特別(距離延長で本番ということが多くなる)とは違い、いずれは好走馬を出してくるだろう。

 前走の着順が悪いとダメ、ということはレースの傾向として堅くなりそうに思える阪神JFだが、そういう結論にもならないのが難しいところ。前走オープン組に限って人気順別成績を見ると、1番人気が[1-1-2-5]で2番人気が[0-0-1-4]、3番人気[0-1-0-6]。前走重賞で好走している、というグループからさらにシルシを絞るときに、ファンが失敗している様子が見てとれる。前走のクオリティは求めるが、他人の声には惑わされない、という予想が必要となる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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