◆まだ「イメージ」がない中京オープンの2000m 新装なって約2年になろうとする中京競馬場の「2000m」では、この愛知杯はまだ2回目。春の「中日新聞杯」も2回行われただけなので、オープン馬の2000mのレースイメージがないに等しい。騎手にとっても、ファンにとっても。
レコードは、今春の中日新聞杯で記録された「1分59秒6」にすぎず、レースバランスは前後半「60秒2-59秒4」だから、とても厳しい中身とはいえない。
また、昨年のこの愛知杯は前後半「64秒5-59秒1」=2分03秒6。超スローで逃げた51キロのエーシンメンフィス(7番人気)と、2番手につけた52キロのサンシャイン(10番人気)がそのまま1-2着だった。
1周約1706mのコースで、コーナー4回。最後の直線は約413m。スローになりがちは明らかだが、今季は高速の芝ではなく、勝ちタイムからして推定は難しい。
1番人気が予想される3歳
スマートレイアー(父ディープインパクト)が、秋華賞のように出遅れたりしなければ、全3勝と同じ好位差しのパターンに持ち込めそうだが、レースの流れが読めないハンデ戦。上位陣のレベルは高いが、当然、波乱含みだろう。
◆現在の中京にうまく合うのは… 強烈な切れを誇り、新中京の芝に【1-1-0-0】の成績がある4歳牝馬
ゴールデンナンバー(父ダイワメジャー)を狙いたい。
今春、1000万特別を勝った直後に、GIII福島牝馬Sを0秒2差。続く1600万特別を勝ったあと、条件再編成後の1600万特別を上がり「32秒3」で突っ込み、クビ差の2着。休み明けで格上挑戦となったGII府中牝馬は後方から上がり「32秒0」で伸びて勝ったホエールキャプチャから0秒2差。エリザベス女王杯3着の
アロマティコ(父キングカメハメハ)に先着している。そして前回の1600万特別を上がり「33秒2」で制して晴れてオープン入り。
昨年末、中京の500万特別を勝って以降、ここまでオープン挑戦2回を含めて8戦。うち7回までメンバー中最速上がりを記録し、残る1回の福島牝馬SもNO.2の切れ。追い込みの決まりやすい中京でフルにこの「切れ味」が生きるとみた。
ダイワメジャー産駒はスピードも切れもあるのに、あと一歩の底力を欠くようなところがあるが、ゴールデンナンバーの祖母ケープヴェルディ(父カーリアン)は、1998年の英1000ギニー勝ち馬(ゴドルフィン所有。デットーリ騎手)。続く英ダービーでもこの組み合わせとあってなんと1番人気になっている(9着)。
3代母の全弟は、イスパーン賞GI(仏)を勝った1993年の秋、いきなりダート10Fの米BCクラシックに挑戦すると12番人気で勝ってしまったアルカング(父サガス)である。アルカングは当時ダンディルート(ビゼンニシキなどの父)が成功していたため、同じリュティエ系として日本に輸入されたが、パンチはあってもスピードがなかった。ただし底力は伝えることに成功している。
楽について行けそうなペースで、そう高速ではない芝の切れ味勝負。ゴールデンナンバーにうまく合うのが現在の中京ではないかと期待したい。
出遅れた秋華賞で2着に差してきた自在型スマートレイアー、エリザベス女王杯があまりに惜しい3着だったアロマティコが大本線。
リラコサージュ、ビシッと追えた
トーセンソレイユ(ディープインパクトの下)、行くこともできる
オールザットジャズ、秋華賞で善戦した
シャトーブランシュにも手を伸ばす。