◆未来の展望ある2歳牡馬が揃った一戦 昨2012年の勝ち馬はエピファネイア、3着がキズナ。11年の2着馬ゴールドシップと、10年の勝ち馬ダノンバラードは有馬記念に出走している。09年の勝ち馬はヴィクトワールピサ、08年はロジユニヴァース。00年には、「アグネスタキオン、ジャングルポケット、クロフネ」の上位独占もあった。
1991年から阪神の2000mとなった「クラシック路線のベース」となるこのレースは、来年から中山2000mの「ホープフルS」と変わり、やがてはGIになるだろうとされる。中山2000mは皐月賞の距離.コースである。「阪神JFと桜花賞」の関係と同じように、現在以上のクラシックの先駆け重賞となることになる。
阪神で行われる最終回にふさわしく、大きな未来展望につつまれる2歳牡馬がそろった。この世代、牝馬に押されてきたが、遅れて登場の牡馬陣の評価も一気に上がると思える。
◆デビュー戦が好内容のビップレボルシオンに期待 人気はないが、
ビップレボルシオン(父マンハッタンカフェ)に期待したい。
デビュー戦は、不器用な一面がありそうなので東京の芝1800mに出走。調教でもそう動いていなかったから、4番人気にとどまった。前半はゆっくり構え、最後の直線だけスパート作戦も必勝の注目馬のレース運びではないように映った。
前半1000m通過「61秒6」は、東京1800mの新馬とするとそんなにスローでもない。だから、後半「47秒1-34秒6-11秒8」の決着。軽いレースではなかった。これを最後方近くから大外に出して差し切り、上がり33秒7で3馬身差の圧勝は期待を大きく上回る文句なしの好内容である。切れのいいフットワークが印象的だった。
ひと息入れたあと、この中間の動きはデビュー前とは一変している。1週前にCWでビシッと追ったあと、今週の坂路52秒4-12秒6には余裕があった。もう不器用な印象も、全体に緩い馬体でもない。大きく成長すると思える。
母メジロジョーンズ(その父メジロライアン)は、4年も連続してJRA賞に輝いた女傑メジロドーベルの全妹。ドーベルの産駒はもう一歩にとどまるが、姉妹から期待以上の逸材が出現するのは良くあること。メジロラモーヌがそうだった。
とにかく素質馬ぞろい。前回は実戦になるとスケールを生かせず、体を使いきれずに妙にストライドが小さくなった気がする
サトノアラジン(父ディープインパクト)も、今度はそんなことはないだろうし、ディープインパクトの9歳下になる4分の3弟の
モンドシャルナ(父ネオユニヴァース)も、全然ひよわい印象がない。
外国産馬
シンガンは、ジャパンCに2回もきたジョシュアツリーの半弟で、父インヴィンシブルスピリットも、母の父グランドロッジも、ともに大種牡馬ダンチヒの孫世代という凝った配合。
ミヤビジャスパーは、今週は高揚している池添騎手が乗る。C.ウィリアムズ騎手を配してきた
デリッツァリモーネも、松山騎手の
アズマシャトルも侮れない。
特に怖いのは、BCクラシック、ドバイWCなどのカーリン(その父スマートストライク)産駒の外国産馬
セセリ。同馬はダートではなく、芝で快勝している。先週のアジアエクスプレス級の大物に育ちそうである。
きわめて相手は強いが、デビュー前の評価以上の素質を秘めるとみて、ビップレボルシオン(後藤騎手)から手広く流したい。