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トライアル戦の考え方

  • 2003年09月24日(水) 11時47分
 坂路で一番時計、順調でどれくらい強くなっているのか楽しみと陣営が語っていた春二冠牝馬スティルインラブの5着をどう見るか、ひとつの課題をつきつけられたローズSでした。

 プラス22キロの馬体重が響いたのかどうかは、けいこ内容からは考えられず、幸騎手の言ったように、久しぶりで2コーナーから少しかかったせいと見るべきでしょう。

 勝ち馬アドマイヤグルーヴから、コンマ5秒差なら、それほど負けてはいないと言えます。それに、今年の3歳牝馬陣は高いレベルにあり、ちょっとしたことで着順が下がってしまうことが、十分考えられます。

 スローペースに落としたヤマカツリリーの逃げが巧妙だったのと、上すべりする馬場だったので後続馬が追走に苦労するところもあって、この結果を生んだのでしょう。

 それにしても、目標が先にあるトライアル戦の考え方には、時折、迷わされます。有力馬は、できるだけダメージ少なくと戦うので、先に行く馬の作るペースにはまってしまうということがあり、これを突き破る馬の強さには脱帽すべきです。

 その実、アドマイヤグルーヴがここを勝って本番へというかたちになったことを大いに喜ぶべきでしょう。女傑といわれた母エアグルーヴは、レース中の骨折で10着に敗れており、ここまで2000mは3戦3勝、真の実力を発揮する秋華賞となりそうです。

 本番では、しっかり変わってくる筈のレース巧者スティルインラブとの立場が逆転したと見る者が多くなる中、この2頭の対決ムードは上がるばかり。2頭にわずかでもほころびが出たとき、ダークホースの喰い込む余地がという秋華賞の下馬評は、動かないでしょう。レースは、追う立場の馬が前哨戦を勝つことで盛り上がります。秋の3歳牝馬戦線は、その様相を呈して本番に突き進んでいくことになりました。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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