スマートフォン版へ

日経新春杯は有馬記念組と斤量がポイント

  • 2014年01月17日(金) 18時00分


◆斤量を見込まれた馬とお得感のある馬

 ハンデ戦では斤量についてあまり深く考えないほうがよいケースも多いが、日経新春杯については考える必要がある。

 過去10年間、57キロ以上を背負った牡馬は(1.0.1.13)。一昨年にトゥザグローリーが勝っているが、他には1,2番人気馬がごろごろいながらこの成績。もともとこに出てくる実績馬は、実績馬といっても力でねじ伏せるほどの力量差を備えていないことが多く、斤量差にやられやすい。

 その点今年はトップハンデでも56キロだが、その56キロでもアドマイヤフライトのほうはずいぶん見込まれた印象だ。過去10年に前走準オープン勝ちの牡馬は10頭出走しているが、いちばん重くて55キロ、軽い方は53キロ。年齢のアローワンス抜きでもこの数字で、56キロというケースはない。

 ならばラブイズブーシェのほうが相対的にお得感はある。日経新春杯過去10年における前走有馬記念組は(2.0.2.3)。AJC杯にも共通する傾向だが、このグループはなんだかんだで強い。しかもラブイズブーシェは当時の4着馬である。

 有馬記念組尊重ということでは、テイエムイナズマあたりも決して馬鹿にはできない。秋に出走した京都戦がともに道悪だったのではかりかねる面はあるが、京都が合う可能性はある。さほど人気もないだろうから、ヒモには検討したい。

 斤量の話に戻って、明け4歳馬であることを考えると実質トップハンデに並んでいるのがサトノノブレスラウンドワールド。この2頭の比較も、3歳以降の成績を考えるとラウンドワールドの方が見込まれすぎた印象がある。

 勝ち切ってはいないものの高いレベルで安定しているサトノノブレス。もともと気性的にややこしいところもあった馬だが、3000mをこなした以上2400mでどうこう言う必要はないだろう。本命党には素直におすすめしたい。

 取捨に悩むのがフーラブライド。そもそも、芝戻りで出世するという形そのものが珍しい。勢いはあるのだが、前走にしても人気薄・軽ハンデによる1着。さすがにここでは厳しいと見て、個人的には狙いを下げる方向だ。

 逆に関心があるのは、フランスからの帰国緒戦を2着とまとめてきたステラウインド。1番人気だった前走は道中3番手からの競馬で、1,3,4着はそれぞれ初手では後ろにいた馬。これはやむをえない2着だ。ただ、あそこで勝っていると今回の斤量は+1キロされていたかもしれないので、そういう意味では前走の敗戦もマイナスばかりではない。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング