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東海Sのニホンピロアワーズは「買える馬」、問題は…

  • 2014年01月24日(金) 18時00分


◆ニホンピロアワーズは格が違う、斤量も明らかに得

 施行条件が変わって間もないレースなので、旧平安S時代からの流れで考えるしかない。
 唯一違うのは斤量で、1年以内のG1勝ち馬がプラス2キロ、G2勝ち馬はプラス1キロの加量ですむ(1年より前のG1馬はプラス1キロ)。グレード別定のG3で3,2,1キロの加量だった場合でも、G1上位常連だった馬は克服してしまうことがあるだけに、これは実力馬に有利だ。

 ただ、今回は斤量が増えている個別の馬ごとに見ると、買えるケースとそうでないケースがあるように思える。
 買える馬は、圧倒的人気が予想されるニホンピロアワーズだ。昨年G1で2,3着しかなく、JCダートの勝利が1年より前のものになったので、57キロで済んでいる。これは明らかにお得。1年G1を勝っていないといってもそれに近い成績をあげているわけで、今回出走する他馬とは格が違いすぎる。

 問題はグレープブランデーだ。フェブラリーSの影響で58キロ、一方でここ2走は2ケタ着順。以前も大敗から立ち直ったことがあるのでもう一度復活する可能性はあるが、ダート界では「超大物でもあるときからいきなり活躍しなくなる」という現象が存在するし、まだ人気になるようならば目をつぶって蹴ってみるのもアリだと思う。

 議論の余地なく損なのはオースミイチバンの57キロ。この馬についてはダイオライト記念が儲けものだったと考え、渋々背負ってもらうしかない。

◆軸には向かない馬が多い

 それ以外の馬は基本の重量だが、実績馬でまずピックアップしたいのはソリタリーキング。中央のレースだとそもそも位置がとれずなにもできないケースが多いが、京都でやった東海S(2012年)のような競馬ができれば、今回のメンバー内では地力が上。反対に同じ人気馬でもグランドシチーは展開待ちの色彩が強い馬なので、軸やそれに準ずる扱いにはしづらい。3連単だと3着に来てもらうのがいちばんしっくりくる。

 ケイアイレオーネは捲りのタイミングを遅らせるようなイメージの競馬でシリウスSを制したが、みやこSではなにもできずに終わった。前走時点で574に達した馬体重がどうなっているかを見ないと判断はできないし、これも軸にはできず、あってヒモというところだ。

 旧平安S時代は5歳馬が強かったので、なにか穴があるとしたら5歳勢を狙ってみたい。マイネルバイカは先行しようともしなかった昨年の平安Sが不可解だが、ハナへ行けるようなことになると、粘りがきいても不思議ではない。ダブルスターは準オープン卒業に時間がかかったので印象が良くないが、相手なりに走るし先行力があるのは魅力。今回はニホンピロアワーズ以外の有力馬がそれぞれ不安材料を抱えているだけに、その不安が揃って的中した場合入れ替わりに馬券圏内に入っていけるかもしれない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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