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斤量1キロの影響はあるか?

  • 2014年01月28日(火) 12時00分


◆2月の4歳馬は1600m以下とそれ以外で成績差があるのか?

 今週の競馬は開催替わりであると同時に、2月に入って最初の開催でもある。

 2月というのは中途半端な時期であり、1月は4歳馬に与えられていた1キロのアローワンスが1600m以下についてはなくなり、1600m超については残る。定量戦だけでなく別定戦も同様であり、おそらくはハンデ戦の算定も同様の基準で行われているはずだ。

 そこで知りたいのが、1600m以下戦では1月と2月で4歳馬の成績が違うか? ということと、2月の4歳馬は1600m以下とそれ以外で成績差があるか? ということである。

 まずは、アローワンスがなくなる1600m以下について。2009〜2013年(5年間)の4歳以上戦における4歳馬の成績は以下の通り。

 月  勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1月 7.2% 14.8% 21.7% 75 73
2月 7.9% 15.2% 21.9% 74 74

 なんと、ほぼぴったり同じ。同じすぎてネタにならない。さらに「2月の4歳馬」を1600m以下と1600m超で分けると、

距離   勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1600m以下 7.9% 15.2% 21.9% 74 74
1600m超 8.5% 16.9% 24.5% 59 77

こちらも大差ない。勝率・連対率・複勝率はやや1600m超のほうが高いが、これは平均出走頭数にもよるだろう。単穴が出ていないということでは、むしろ1600m超のほうが馬券的には面白くない。

 根岸SやシルクロードSはカレンダー次第で1月になったり2月になったりする重賞で、しかもともに1600m以下。ともに4歳よりは5歳が強いレースで、特にシルクロードSは4歳馬が過去10年[1-1-1-32]、単回収率4%・複回収率15%と苦戦しているレースだ。その原因がハンデにあるのかとも思ったのだが、そういうことではなく短距離界の構造的なものなのだろう。

 今回はこういう馬を買おう、という話ではなく申し訳ないが、両重賞以外の古馬1600m以下戦では4歳馬を気にせず買える、ということにはなると思うので参考にしていただきたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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