※東京新聞杯の展望は
こちら、クイーンCの展望は
こちらとなっております。
◆ジェンティルドンナにも「死角らしき要素」が またまた大雪の影響で東京開催は中止→代替開催が連続しているから要注意。
すでに発表済みのメンバーでそのまま行われるのは、15日(土)から、2日飛んで18日(火)に移動したクイーンCの「東京5日目」。専門紙などはそのまま通用する。
でも、1週間も日程が移動する場合はとても公正なレースとはならない。新しい出馬表による代替開催になる。17日(月)に行われるのは、先週の日曜日(9日)に中止となった東京新聞杯がメインの「東京4日目」である。新メンバーだから専門紙などは最初から刷り直しになる。同様に、共同通信杯が行われる予定だった16日(日)の「東京6日目」も中止→代替開催となり、次週24日(月)に移動した。新しい登録馬を受け付けることになり、メンバーは変わる。開催日が複雑に入れ替わっていること。中止は東京競馬だけであること。1週間ズレて再登録となったメンバーで行われる開催日(17日、24日)が生じた点に注意していただきたい。
「京都記念」の断然人気の注目馬は、5歳牝馬
ジェンティルドンナ(父ディープインパクト)。頂点のジャパンCを2連覇している女傑だから当然である。昨年は2着にとどまったドバイ(シーマクラシック)に今年も遠征する予定で、今年はここを使ってから乗り込むローテーションをとってきた。
距離はすでに経験している2200m。コースは地元の京都。斤量の56キロも別に初めてではない。今回は福永祐一騎手にチェンジするが、当りの柔らかい「牝馬の福永騎手」だから、とくに気にならない。
まず大きく崩れることはないだろうが、死角らしき要素はある。2歳のデビュー当時が470キロ前後だったこの牝馬、3歳春に少し絞ったことはあるが、安定した昨年はずっと470キロをキープした。馬体重の変動がないのは、不変の能力を、ずっと長い期間にわたり発揮してくれる馬の特徴である。
だが、厳寒期のいま、もし当日480キロ前後でふっくらとして、やけに良く見せたりしたら少し心配。ここまでポン駆けOKとされているが、新馬を含めたポン駆けは「2,1,2,3,2着」。ほかの馬なら好成績でも、ジェンティルドンナはそれ以外だと【7-0-0-1】である。着外は、2ヶ月ぶりだったチューリップ4着。これを休み明けに組み入れると、1か月くらいの間隔で出走したときは7戦7勝。間があくと6戦1勝。本番に向けて使って良くなるのがジェンティルドンナ。ポン駆けはしていないのである。
◆超スローもありえる もうひとつ。逃げ馬不在でスローが予測される。少し柔らかい馬場とあって超スローもありえる。ジャパンCで3歳デニムアンドルビーに「ハナ」まで詰め寄られたときが超スロー。3歳時に秋華賞、ジャパンCを連勝したときもスローペースだった。「ハナ差」「ハナ差」の辛勝である。強烈に伸びているようでいて、そんなには切れないのが(ドナウブルーの下)のジェンティルドンナともいえる。折り合いに苦心した際でもあるが…。
これと関連し、56キロは一応こなしてはいるが、宝塚記念3着は、0秒6差。天皇賞(秋)の2着は、0秒7差。ジェンティルにしては信じがたい完敗である。
対する武豊騎手の
トーセンラー(父ディープインパクト)も58キロを背負っているから、簡単に切れ負けすることはないだろうが、ぴたっとマーク(目標に)されて、直線で馬体を離しての強襲を受ける形は歓迎ではない。
当面の敵はもちろんトーセンラーだが、スローでスパートの位置が難しくなったトーセンラーの10月の京都大賞典(同じ外回り)を思い出したい。57のトーセンラーは、このとき前にいたゴールドシップを目標に早めに動いたところ、56キロの
ヒットザターゲットと、56キロの
アンコイルドに、外と内からまとめて差されて3着に沈んでいる。
トーセンラーはあのあとパンチを強化したが、今回は58キロ。ヒットザターゲットも1キロ増だけの57キロ。そして(今の京都の芝向きと思える欧州血統の)アンコイルドは、あのときと同じ56キロである。トーセンラーがスケールアップしたのは間違いないが、ヒットザターゲットと、アンコイルドがそろって出走してきたから軽視はできない。
天候の異変と呼応するかのような、大波乱も考えておきたい。一応の中心は、ジェンティルドンナをマークする位置のトーセンラーとしたが、後藤騎手が2度目の騎乗となるアンコイルド(父ジャイアンツコーズウェイ)、ヒットザターゲット(父キングカメハメハ)、さらにはスタミナも問われそうな芝なので、動き絶好
デスペラード(父ネオユニヴァース)にも食指を動かしたい。穴馬券として、アンコイルドからの流し馬券を買いたい。