“集大成の仕上げ”スマートギア大駆けあるぞ/トレセン発秘話
◆土肥厩務員もラストウィーク、スマートギアは「しっかり仕上げた」
追い切りで好時計を叩き出し、日曜京都の芝外1800メートルで新馬勝ちが期待されるアドマイヤヤングに関して、近藤利一オーナーから梅田智調教師に電話があり、今週限りで現役を引退する上村洋行騎手(40)に乗せてやってほしい、とリクエストがあったのだという。
「おとこ気のあるオーナーなんだよ。追い切りの動きを見たら期待できると思うし、ジョッキーも最後にいい新馬を任せてもらって意気に感じているんじゃないかな」と梅田智調教師。
上村だけでなく、今週は2月いっぱいで引退する調教師にとっても最後の勝負をかけるラストウイーク。それぞれが管理馬を目一杯の仕上げで送り出している。
ヒシマサル、ヒシアケボノ、ヒシミラクルなどヒシの冠馬を中心に活躍馬を多数輩出した佐山調教師も今週がラストなのだが…。小倉大賞典に出走するスマートギアはもう一人の関係者にとっても最後の仕上げとなる。
「佐山厩舎には開業からずっと世話になったからね。定年まであと4年ほど残っているけど、テキ(調教師)が最後だし、これがいい区切りだよ」
ヒシマサル、ヒシミラクルなどを担当し、腕利きとして知られた土肥弘厩務員も厩舎解散とともにこの世界を退くのだという。
「自分が担当して初めて勝った馬、ヒシマサル、ヒシミラクル…なかなか勝てなかった条件馬も含めてどの馬も印象深いよ。この世界に入っていろいろあったけど、今週が最後。そのつもりでしっかり仕上げたつもり」
前走の京都金杯でも7着とはいえ、上がり33秒6の決め手を使っているスマートギア。一昨年、10番人気で2着に激走したレースで大駆けがあるのか?
引退後は好きな釣りをして悠々自適に過ごすと決めている土肥さん。自身が送り出す最後のレースで「オキアミ一年分ぐらい稼ぎたいね(笑い)」。“集大成の仕上げ”に注目したい。
(栗東の坂路野郎・高岡功)