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今回は勝ち負け必至/共同通信杯

  • 2014年02月23日(日) 18時00分


◆「東京コース」に意味がある共同通信杯

 大雪での開催中止。日程変更が2週間も連続したが、同じ2週連続の大雪が、先々週と先週ではなく、先週と今週だったら、重賞日程の変更はもっとややこしくなっていたかもしれない。

 共同通信杯は、ただ移動して行われればいいというものでもない。東京コースで行われることに重要な意味があるのであり(やがての日本ダービーコース)、次週からの中山では3月9日の弥生賞が迫っている。阪神では3月1日にアーリントンCがあり、2日にはすみれSも組まれている。出走できるレースがあればいいというわけではなく、ひと叩きでいい馬もいれば、重賞の2着でとりあえずボーダーラインを超えそうな2勝馬と、日程を考えると2着ではボーダーラインの下にとどまってしまうから、重賞に挑戦するからには勝たなくてはならない1勝馬もいる。クラシック路線の日程変更は大変である。

 歴史の中には、1頭が回避してくれたからクラシックを勝てた馬もいれば、直前の条件戦をハナ差で勝てたから、ダービーを勝ってしまった馬もいる。ストで日程変更になり、場所が変わったこともあった。調子を崩した馬もいた。共同通信杯は1週間の日程変更で済んで良かった。

◆サトノアラジンの大きなフットワーク

 ここ2戦、スケールの大きさを生かし切れないでいるサトノアラジンは、1週間の延期で済んだのは、幸運に近いだろう。皐月賞出走にはあまりこだわっていないはずだから、共同通信杯が東京で行われなければ、出走に意味は乏しい。また、ここを2着にとどまったとしても、まだ皐月賞出走をあきらめる必要はない。日程は苦しくなるが、トライアルを使える。

 しかし、1週ズレたここに改めて出走するからには、勝ってボーダーラインを超える賞金額にしたい。期待された東京スポーツ杯では、まるで萎縮したかのような小さなストライドになって、豊かなスケールどころではなかったが、同じ期待外れの結果でも、前回のゴール寸前の身のこなしは悪くなかった。

 追い出されても加減してエンジン全開とはならないフットワークから脱し、やっと体を沈めて伸びる構えを見せたのである。全力疾走していい自信が生まれたとも考えたい。返し馬でみせる大きなフットワークが全開するなら、今回は勝ち負け必至だろう。陣営は、この馬には大きな身体を動かせることが最重要ポイントとして、戸崎騎手とはスタイルの異なる岩田騎手にチェンジしてきた。

◆イスラボニータはここで横綱に、ショウナンワダチが馬券妙味

 レース巧者イスラボニータは、あまり強いという印象を与えなかったが、一連の内容は実際には文句なしであり、ここは受けて立つ立場。オーバーホール完了。ひと回り成長した身体つきでパワーアップを示したい。大関のイメージを払拭するとき、しかるべき衆目一致のランキング確保となる。

 日程がズレて良くなったと思えるのは、東京2戦2勝のショウナンワダチ。朝日杯でも坂を上がってからの伸びが印象的だったから、坂を上がっての距離がある東京コース向きなのだろう。ショウナンカンプ産駒とあって、また、線の細さも残るからどちらかといえばマイル路線だろうが、意外に距離は持ちそうな気がする。馬券の妙味はこの馬か。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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