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中山記念とSS系

  • 2014年02月25日(火) 12時00分


◆データ派には買いやすい中山記念

 中山記念は色々と特徴のあるレースだ。7,8歳馬がけっこう強いとか、逃げた馬がよく粘るとか、前走G1組がかなり強いとかデータ派としては馬の取捨がしやすいレースなのだが、特徴のひとつに「サンデーサイレンス系が強くない」ということがある。

 過去10年、中山記念に出走したSS系の成績は(3.4.7.52)。勝率4.5%、複勝率21.2%、回収率は単12%・複45%となっている。

 2004-2013年に行われた芝の古馬定量・別定G2におけるSS系全体の成績は勝率7.7%・複勝率24.9%、回収率は単76%・複80%となっている。

 10年を通じて当該条件で行われた18レース中、中山記念は勝率で16位、複勝率で15位。これも悪いのだが回収率は単複ともにビリである。特に複勝回収率はブービーの京王杯SCが60%に対し先述したように45%だから、ダントツのビリだ。

 なぜこのようになるか。人気薄のSS系が全く来ないからである。先述した(3.4.7.52)のうち5番人気以内が(3.4.6.15)。ということは6番人気以下は(0.0.1.37)ということである。唯一3着したのは2005年のアルビレオで7番人気・複勝530円だったが、これでは焼け石に水。6番人気以下馬全体の複回収率は13%にしかならない。

 一方で1-5番人気グループも単28%・複88%だから、積極的に買いたいというほどではない。非常に困った話である。実はこの原稿は特別登録が出る前に書いている(代替開催の影響)のだが、ともあれSS系の馬については上位人気であること、さらに冒頭に書いたようなこのレース向きの条件にマッチすることを前提に厳しく吟味したい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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