◆つかみどころがない組み合わせの一戦 とくに路線に関係しないオープン特別とあって、各馬の前2走に限ると、重賞競走に出走していた馬は少ない。中には短距離重賞に挑戦している馬もいるが、根岸S,カペラS,スワンS,プロキオンSなどに出走していたそれらの馬は、みんな2ケタ着順。
レベルが低いなどとすることはできないが、つかみどころがない組み合わせで、好走、快走の期待をしたい馬に、信頼性などという形容はつかない。
7歳にして初めてダート戦に挑戦する
キングレオポルド(父フジキセキ)を買いたい。
初ダートに出走といっても条件戦なら珍しくないが、古馬のオープン級の場合はまれで、なおかつそれでいきなり好走はめったにない。
思い浮かぶところでは、昨年の最優秀ダートホースに輝いたベルシャザール(父キングカメハメハ)が、5歳の夏になっていきなりダートに方向転換したが、最初の1戦は1600万条件を3着だった。
「一度はダートに出走させてみたかった…」という不思議なコメントを発して、9歳の今年になって60戦目にして初めてダートに出走したオセアニアボス(父レッドランサム)は、16頭立て15番人気で突っ込んできたが、やっぱり3着だった。古いところでは、初ダートがいきなりGIのフェブラリーSになった5歳牝馬トゥザヴィクトリー(父サンデーサイレンス。トゥザグローリーの母)も、惜しい3着に終わっている。続くドバイWCで2着に激走したくらいだが、それでもダート初戦は苦戦している。
ただ、ここはオープン特別とはいえ非常に手薄な組み合わせであり、芝からスタートの中山1200m。幸運にも、もまれない外枠15番を引き当てた。1200mは8回も連対しているベストの距離だが、決して快速系というわけではなく、時計がかかってこその510キロ台のパワー型。キングレオポルドが大駆けしてくれる可能性はかなりある。
万能タイプの種牡馬フジキセキ産駒なら、砂をかぶらなければダートを苦にするとは思えない。函館に遠征した際にはダート調教で軽快に動いていた。
母アイルドフランス(米)の父ヌレイエフ(トゥザヴィクトリーの母の父でもある)と、サンデーサイレンス系種牡馬の配合はごく一般的なダート巧者の配合でもある。
祖母ステラマドリッド(父はアリダー)は米GIの4勝馬。多くのアメリカ馬は代をさかのぼるとイギリス産であったり、フランス系統だったりするが、試しにファミリーテーブルを広げて驚いた。古典の種牡馬ヒムヤーなどの血を取り入れながら、なんと18世紀から20代以上もアメリカで連続してきたアメリカ血統であり、ちょっと間違えたら最初のファミリナンバーからもれかねないほどのアメリカの土着牝系でもある。生粋のダート血統ともいえる。
こんな希薄な理由で人気馬は買えないが、7歳にして初ダートならそうは売れないだろう。人気薄の隣の8歳馬
サウンドアクシス(父フレンチデピュティ)も明らかに再上昇気配なので、押えには懐かしの枠連も少し買って、ダートなら近走以上に走って不思議ないキングレオポルドから流したい。人気馬から入って、ここはなんとしても当てに出たいという組み合わせではないように思える。