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積極策で粘り腰を/中山記念

  • 2014年03月01日(土) 18時00分


◆GI馬に不安があれば、コース適性でスペシャリストが台頭する

 2011年のヴィクトワールピサのように、圧倒的な総合能力で圧勝する勝ち馬がいる年もある。これに該当するのは、今年の場合は、秋の天皇賞を圧勝しているジャスタウェイと、皐月賞をレコードで勝っているロゴタイプ。ともに58キロである。

 この2頭に、状態、距離、コースなどの不安があるとき、今年も出走するナカヤマナイトのように、G1ではちょと苦しいが、このコースのこの距離ならの適性を持つ、スペシャリストタイプが台頭することが多い。土曜日段階ではあまり売れていないが、ナカヤマナイトは中山1800mを3戦して【3-0-0-0】である。

 今年は、このコースのこの距離ならのタイプが台頭可能な組み合わせとみて、伏兵マイネルラクリマを狙いたい。右回りの1800mは【1-2-0-1】。3歳時に京都の白百合Sを勝ち、中山で行われれたラジオNIKKEI賞を0秒1差の2着。4歳時は丸1年も休養して、昨年の5歳時は京都の都王路Sを0秒1差の2着。そして12月の朝日CCを1分46秒7で、0秒2差の4着。左回りの1600-2000mの中距離戦にくらべると、明らかに成績がいい。

◆4角先頭の強気なレースを

 朝日CCの4着は、今回も対戦するアルキメデスのハンデ55に対し、こちらは58キロ。ゴール寸前まで先頭だった内容を振り返ると、中身は互角以上ともいえる。アルキメデスとは、今回は同じ55キロとなった。

 持ち時計はもう一歩だが、3走前の福島記念2000mを1分57秒4で乗り切った際が4コーナー先頭で、1800m通過は1分45秒2だからスピード不足はない。まして春の中山の芝は高速コンディションではなく、空模様も十分に怪しい。

 外枠だが、行くこと必至のトウケイヘイロー(武豊)に接近して先行しそうな馬は少ない。粘り腰フルに発揮のためには、2番手を譲らず、4コーナー先頭の自分のパターンに持ち込むような強気な積極策を取りたい。トランセンドなどが代表するアイアンエイジの牝系は、快速スワップスの一族であり、強気に先行してこそのスピード系が出発点。中山のラジオNIKKEI賞2着の内容から、中山1800mはたった1回しか出走していないが、高い適性を秘めていると考えたい。

 本線は、マイペースの公算大のトウケイヘイローと、1800mこそベストのエアソミュール。とくにエアソミュールはいま本格化、体型が変わってきた印象もある。マイネルラクリマは人気薄なので、連勝は手広く行きたい。

 阪神の阪急杯は、引き続き絶好調キープと思えるガルボが中心。阪神1400mは【0-3-0-3】。重賞を3勝もしている1600mと同じくらい高い適性がある。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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