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弥生賞、トゥザワールドの取りこぼしもありうる!?

  • 2014年03月07日(金) 18時00分


◆馬場状態が重要なファクターとなる

 弥生賞に限らず、今週の中山で気になるのは芝コースの状態。雪が続いて生育が悪かったところへ開催直前からの雨で、開幕週とは思えない悪いコンディションだったのが先週の競馬だ。タイムもかなりかかったし、馬場に泣いて力を発揮できない馬も多かった。

 今週は週末に関しては降っていないが、週中には降っている。先週より乾いた馬場にはなるが、走りやすい馬場になるかどうかは分からない。弥生賞に関しては、土曜の競馬を見て最終的な判断をしていきたいところだ。

 トゥザワールドは今回圧倒的な1番人気だろう。これまでの競馬については悪いところがないが、なにかあるとしたら先述した通り馬場。中山芝がソフト化した秋以降キングカメハメハメ産駒の成績全体がやや落ちており、この馬自身もレコード勝ちの経歴があるように速い馬場が合うタイプ。予想以上に走りづらい馬場だったときは取りこぼしもありうる。

 キングズオブザサンはいまや中山芝で定番となったチチカステナンゴ産駒。馬場のリスクはさほど大きくないが、あとはどんな位置でレースをするか。京成杯は道中凸凹した珍しいラップになったうえ、最終的には差し追い込みがよく届く展開になった。同じ位置にこだわるようだと、前の馬にやられる危険がある。

 ワンアンドオンリーはラジオNIKKEI杯の勝ち馬だし、当時が雨の降った馬場でスローということを考えると、今回の環境にもマッチしそうな予感はある。ただその前走が人気薄でのものだし、輸送がどうかという問題もある。真価が分かるのは今回の結果を見てからだろう。

 アデイインザライフはディープインパクト産駒とは思えない巨漢で、それが中山の馬場をこなしていることにもつながっているのだろう。前走でキングズオブザサンと2,3着だった間柄だが、今回も展開次第で同馬と運命共同体になるのではと思う。同じ趣旨として、アズマシャトルはワンアンドオンリーとセットで買う・買わないを判断していきたいところだ。

 イタリアンネオはネオユニヴァース産駒で、いまの馬場に合いそうなタイプではある。ただ弥生賞では前走500万条件組はかなり苦戦しているので、その壁を超えられるかどうか。

 逆に、前走重賞大敗組の巻き返しは3着前提なら考えられる。モエレエキスパートやメテオバーストのようなパターンだ。エアアンセムは京成杯2番人気だからそう馬鹿にしたものもないし、アグネスドリームはハナへ行ける馬なので展開次第で浮上もある。このあたりが穴狙いのポイントだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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