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扱い方が難しい、いまの中山芝1800m

  • 2014年03月18日(火) 12時00分


◆昨秋の開催以降、明らかに波乱傾向は強まっている

 今週はフラワーC、スプリングSと、中山芝1800mの重賞がふたつ行われる。

 最近の中山芝はパワーのいる路面となり以前と好走する馬が違ってきているし、そもそも荒れやすくなっている。特に1800mは波乱傾向が強い。

 馬場のニュアンスが変わった昨秋の開催以降、中山で芝1800m戦は31鞍行われた。全馬を均等買いした場合の回収率は単83%・複93%。2013年春開催から遡って1年という期間だと単73%・複70%だから、明らかに波乱傾向は強まっている。

 中山はパワーが必要になっている、切れ味勝負がききにくくなっていると感じているファンの方も多いことだろう。その中でも芝1800mはもともと持続力タイプの競馬になりやすく、いわゆる「ファッショナブルな血統」はそこからさらにピンチとなっている。

 ファッショナブルな血統の象徴であるディープインパクトを例にとると、昨年春開催までの通算は[10-9-3-38]で勝率16.7%、複勝率36.7%。回収率は単47%・複75%だった。

 昨秋以降だと[3-3-3-19]で勝率10.7%、複勝率32.1%。回収率は単29%・複64%と、もともと低かったところからさらに下がっている。

 1800m以外の距離も含めると中山芝全体でディープインパクトは勝率が下がっており、複勝率はある程度維持しているものの勝ち切れない結果が目立ってきている。

 今週の両重賞にも人気になるディープインパクト産駒がいるが、どの程度まで評価するべきか、ここは慎重に考えるべきだろう。

 一番困るのは、「ならばどの馬を買うべきか」が見えにくいところ。種牡馬や前走距離、馬体重などいくつか切り口を探してみたがきれいに傾向の出るものがない。それに加え、かつてこの馬場をこなした馬が次はいきなり惨敗したりなど、とらえどころのない状態が続いている。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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