秋華賞を見て、そのステップレースと本番との違いがはっきりしていました。前半1000mのタイムが、クイーンS61.4秒、紫苑Sが62.2秒、ローズSが61.0秒と大体がスローペースだったのに対し、本番の秋華賞は59.8秒でした。特にローズSとの比較では1秒以上速いゆるみないペースだったのです。
1着スティルインラブ、2着アドマイヤグルーヴ、3着ヤマカツリリーという結果が何を物語っているか。これらは、いずれも厳しいレースの経験が春にあったものばかりでした。つまり、トライアルと本番との違いを前提にすることが、結論を引き出すときの大切なポイントになるということです。
では、菊花賞はどうなるでしょうか。前哨戦は、セントライト記念と神戸新聞杯です。
現在のローテーションになってからは、それぞれの勝ち馬は菊花賞馬に結びついてはいません。2200mと2000mという距離の問題で、3000mを戦うにはちょっとへだたりがあるということでしょうか。そうとも言えるでしょう。
今年は、神戸新聞杯の顔振れが揃っていて、上位馬がこぞって出走となると、どうしてもこのレースを基準に考えたくなります。ところが、こちらは阪神の2000m。京都の3000mとは、あまりに条件が違いすぎます。別の角度から考える必要もあるのではないかと、誰しも思うところです。
菊花賞には2通りの考え方があって、前半の2000mがスローになる場合は、折り合いの効く中距離型、つまり、ダービー好走組にチャンスがあり、そうでなくて、ペースがゆるみなく、特に中だるみがなく流れる場合には、ステイヤー型の出番ということになります。ヒシミラクルは後者のケースでした。従って今年の最大のポイントは、1000mで三分割したときの中の1000mでどういうペースになっているかを見極めること、折り合いを欠く馬が出てくるかもその考慮の中に入れたいです。