◆意外にもGIへ繋がるフラワーC 桜花賞に出走するには最終ステップになる1800m重賞。多くの場合、もう桜花賞とは展望するビッグレースが異なるようにも思える路線だが、最近10年、
【フラワーC→桜花賞】
▽2004年 東ダンスインザムード 1着→1着
▽2005年 西シーザリオ 1着→2着
▽2006年 東キストゥヘヴン 1着→1着
▽2010年 西オウケンサクラ 1着→2着
▽2011年 西トレンドハンター(阪神) 1着→3着
計5頭もが桜花賞で快走している。オウケンサクラは「チューリップ賞→フラワーC」という特異なローテーションだが、これをチューリップ賞組にも入れたときの「14頭」に次ぐ、重要なステップレースなのである。
輸送をこなさなくては大レースなど無縁。3月末にあえて中山に遠征し、ここでなんとか桜花賞の出走権を確保しようとする関西所属の「
ショウナンパンドラ、
ディルガ」2頭には要注意である。
とくに人気の1頭ショウナンパンドラは、体が減りつつあること、予想外の木曜の雨でまた一段とタフなコンディションになりそうなことなど、死角が大きいように思えるが、母キューティーゴールドは、24歳までに驚異の「19頭」もの産駒を送ったゴールデンサッシュ(父ディクタス)の12番仔であり、ステイゴールド、グレースランド(ドリームパスポートの母)、レクレドールなどの下になる。小柄な馬体が…などは、実際には一族の長所なのだから評価は落とせない。
また、カーリン(ドバイWC・BCクラシックなど11勝)産駒のディルガも時計がかかるのはおそらく大歓迎だろう。もっともタフな牝馬とも思える。
雨の影響が残るタフな芝を考慮して、
ニシノアカツキから入りたい。現在1600mの重賞を2着、3着だが、マイル向きの快速系とは思えず、底力が要求されるタフな芝は他のライバルより合う可能性が高い。距離が1800mになるのも歓迎だろう。ここ2戦の好走は鋭い切れを生かして外から突っ込んだというより、軽快なスピードは欠きながら、最後は力で押し上げている印象が濃い。渋った馬場なら馬群もバラけるだろう。前2戦のようにコースロスを受け入れなくても済みそうである。
父はオペラハウス(その父サドラーズウェルズ)。母方は、祖母クランチーカが種牡馬カーリアン産駒。3代母カルニオラは、凱旋門賞のレインボウクエスト産駒。4代母カーニヴァルスピリットは、凱旋門賞馬ソーマレズの1歳上の半姉。
近年、タフな芝コンディション向きといえばドイツ血脈か、ノーザンダンサーの適度なクロスが切り札になることが多いが、ニシノアカツキはサドラーズウェルズの父としてのノーザンダンサーと、ニジンスキーの父としてのノーザンダンサーの「3×5」。適度に時計がかかる芝向きタイプの見本のような血統構成で、おまけに日本の芝向きヘイルトゥリーズンのクロスも備えている。欧州血脈の濃いタイプらしく、3歳の春に急上昇して早くも最初の完成期に入ることを告げるように、目下マイルの重賞2着、3着と上昇中。そして今週の芝コンディション。好走条件はそろっている。
フラワーCにしては珍しいほど粒ぞろいのメンバーがそろった今年は、「04年ヤマニンアラバスタ(フラワーC2着)、05年シーザリオ(同1着)、06年フサイチパンドラ(同2着)、10年サンテミリオン(同3着)、13年エバーブロッサム(同2着)」のように、このフラワーCでの好走を踏み台にして、やがて初夏の「オークス」の好走につながるだろう成長株が、何頭も含まれているように思える。
ニシノアカツキから、すでに1800m-2000mで結果を出している馬はもらさないように流したい。