日本で活躍する大種牡馬デインヒル(その父ダンチヒ)の産駒は、ゼネラリスト、ツクバシンフォニー、エアエミネム、ブレイクタイム、ファインモーション…などがその代表格。そしてミッドタウン。
みんな、あふれるスピード能力を前面に出すスケールの大きい馬ばかりだが、共通項らしき点はある。なぜかみんな、あまり丈夫ではなく、負けるときは大凡走で、またスランプの期間が必ずあることだ。
ミッドタウンはここまで、デインヒル産駒のパターン通りに7戦[5-0-0-2]。レース運びもかなり荒っぽい。4走前は飛ばしてくれる馬がいたから好位で折り合って抜け出した形だが、この馬の1000m通過も56.4秒。超ハイペースに乗って、休み明けながらエンジン全開の1分31秒9だった。
前々走は自分でかかり気味に飛ばして前半1000m56.7秒。それで1分32秒7の好時計で乗り切っている。前走の京王杯SC、人気の中心になったのは当然だが、中団でタメると46.6−57.8秒の決して速くないペースにもかかわらず、追って伸びなかった。激走後の疲れもあったが、あまりにふがいない内容で、まるで今季のファインモーションのようだった。
それだけに、立て直して過去[3-0-0-0]の休み明けとはいえ、必ずしも全面的な信頼は置けないのだが、秘めるスケールは抜けている。
3歳秋の4戦目に1分31秒9は、同じ開催で、同じ3歳のローエングリンが1分33秒5でオープン特別勝ちだったから、どのくらいの能力をもつ数字かわかるというものだ。
タメないで行くとき、東京の1600mはきびしすぎる気もあるが、ここを通過できるようなら、G1マイルCSに展望が広がる。前半46.0−58.0秒ぐらいの少し落ち着いた流れに持ち込めないものだろうか。