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ダービー卿CTは重賞組よりも準OPやOP特別組を

  • 2014年04月04日(金) 18時00分


◆現在の中山の芝状態抜きでは考えられない一戦

 ダービー卿CTは重賞の壁があまり感じられないレース。同じマイルG3の東京新聞杯などもそうなのだが、前走準オープン組やオープン特別組が強く、前走重賞組がそれほど強くない。

 震災のため阪神で行われた2011年も勝ったブリッツェンは前走準オープン組だったし、これはコースのせいというわけではなく、メンバー構成がそのようになっているのだろう。マイラーズカップなどもあるのにここへ回ってくるという時点であまり強くない重賞常連なのかもしれない。

 ちなみに過去10年、全馬均等買いした場合の回収率は単86%・複96%。複勝ベースで考えるとやはり波乱傾向だ。ただもともと人気割れしているのでド派手な配当とまではいかないのだろう。

 今回はコディーノが人気になりそうだが、先述したように重賞実績はここでの強調材料にはならない。前走道悪で人気を裏切ってきた馬だけに、Bコース替わりといってもいまの中山で馬場をこなせるかどうかもちょっと引っかかる。ただ潜在能力が高いことは間違いないので、馬場を味方にできるのならあっさりのシーンもあるだろう。

 レッドアリオンは前走同コースのオープン特別を勝っているのは強み。ただ前走から斤量は2キロ増えた。過去のオープン特別組を振り返ると前走から斤量が軽くなった馬が好走しており、斤量据え置きでも良いとは言えない。そこへきて(おそらく)過去のG2・2着が効いた2キロ増というのは心配だ。

 今回はオープン特別組に斤量減となる馬がいないので、前走準オープン組に買うべき馬を求めたくなる。上位人気になりそうなマウントシャスタがその1頭だが、全弟が先々週馬場に殺されたばかりなのが引っかかる。いまの中山は仮柵でどうこうなるレベルではない。

 ならばもう1頭の前走準オープン組、インプロヴァイズにも目を配っておきたい。中山芝1600mはもともと連対歴のあったコースだが、近走を見るといまの馬場が苦にならないことだけは分かる。

 トリップはダートも試された馬で時計のかかった弥生賞の2着歴もあり、中山替わりがプラスになる可能性はある。ただ、一見いまの馬場が向きそうに見えるヴァイスリージェント系が、実際の成績ではかなり苦戦している。この馬が個体の問題は別とばかりにその傾向を乗り越えることができるかどうか。

 穴ではいまの中山芝でよく走っているネオユニヴァースの産駒、ネオウィズダムにちょっと注目している。父の産駒らしい気性で距離延長は良くないのだが、もともとはもっと長い距離で活躍することを期待されていた馬。流れが速くなるとチャンスも出てくると思うのだが。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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