◆昨年同時期と比較して1秒前後タイムがかかる中山芝コース 今春の中山の芝は、これまでのように速い時計を生み出すコンディションから整備方法の方向が変化し、ソフトな馬場状態になっている。そのため3-4コーナーの芝がいつもの年より蹄によって激しく削られ、補修の目砂が舞うシーンもあるが、「固い高速の芝」とされる設定よりは自然に近い印象がある。従来の芝設定よりは歓迎とする声が多いように思える。少なくとも、日本だけきわだっていた感のある高速の芝ではない。
今週から、内ラチを外に3m移動させたBコース。ラチ沿いのとくに芝が削り取られた部分は3mの移動柵で通らなくても良くなるが、全体にソフトな設定は変わらない。芝が成育し根が張っても、とくに先週までと変化はないだろう。まして、木曜日から金曜にかけてかなりの降雨量があった。
2回中山から3回中山の先週まで(3月1日-30日)の芝の最高タイムは、
▽1200m 1分08秒9(13年同時期 1分07秒9)
▽1600m 1分34秒3(13年同時期 1分32秒7)
▽1800m 1分48秒4(13年同時期 1分47秒3)
▽2000m 2分01秒1(13年同時期 2分01秒0)
という記録がある。距離を問わずだいたい1秒0前後は今年の方がタイムを要している。
『特注――今年の2000m2分01秒0は、古馬500万のマイネルミラノ(父ステイゴールド)の独走記録である。あのあとまだ出走していない』
ここまで中山の芝1200mで3勝しているが、その記録は「1分09秒5、1分09秒2、1分09秒2」という5歳牝馬
ラフレーズカフェ(父マンハッタンカフェ。母の父はシャーペンナップ産駒で凱旋門賞馬トレンポリノ)に期待したい。
中山1200mの自己最高は1分08秒4(セプテンバーS)だが、きっちり1秒0も負けているから、この牝馬、だいたい1分09秒台の前半で決着がつくレースでないと、勝ち負けできないのである。昨年1月、今回と同じ1600万特別を大外から一気に伸びて差し切ったときが1分09秒2(35秒6-33秒6)だった。
中山1200mで3勝中の2勝が、今回と同じ柴山雄一騎手。少し仕掛けを待って、外から強引にまくってくる印象が強いが、ラフレーズカフェにはそれがぴったり合うのである。スランプ状態(高速の芝ではムリ)が続いていたが、3走前あたりから本来のパンチの利いた動きが戻っている。その3走前は1分09秒0(34秒8-34秒2)。追っての切れは鈍ってはいない。今週の推定勝ちタイムはこのくらいだろう。
8歳馬ながら現在のデキがいい
マッキーコバルト(父ジャングルポケットの産駒も少し時計がかかった方がいい)と、この距離ならめったに崩れない
セイコーライコウ(父クロフネ産駒もパワーの芝OK)が強敵。
以下、
マコトナワラタナ、
ブランダムール、
ゴーハンティング、
コウヨウアレスに流す。