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父同様、このレースから復活を/ダービー卿CT

  • 2014年04月05日(土) 18時00分


◆強気のレース運びでチャンス大

 中間の木曜日から金曜日にかけ、かなりの降雨があったところに、また、日曜日は雨マーク。大雨にはなりそうもないが、Bコースに移っても、芝の根が張り始めても、設定転換したタフなコンディションは変わらないだろう。

 復活を告げる動きを示した5歳カレンブラックヒル(父ダイワメジャー)から入りたい。4歳春にフェブラリーSに挑戦したのが失敗だったのか、すっかりリズムを崩してしまい、順調にローテーションを組んで出走できない期間が続いたが、今回は久しぶりに順調な調整過程から、最終追い切りもビシッと追い切れた。動きもほとんど絶好調時のそれに戻ってきたと思える。

 逃げ=先行タイプにとって、中山1600mのフルゲートの枠順は何より重要だが、幸運なことに内の偶数枠2番を引き当てた。同型の先行タイプが少ないところへ、この枠順なら、弱気にならない限りマイペースの逃げ=先行が可能である。

 57.5キロのハンデと、最近は行きっぷり一歩で自分の形にならないことを考えれば、ハイペースなどあり得ないここは、主導権を奪って自分でレースを作ってもいい。強気になるほどチャンス大の相手だろう。

 ハンデ57.5キロといえば、2005年、そっくり同じハンデで、のど鳴りの低迷期から脱し、このレースを復活快勝してチャンピオンマイラーに駆け上がる契機としたのが、父ダイワメジャーである。

 ダイワメジャー産駒は、最初はスピード系らしく、ちょっと底力や成長力を感じさせないきらいもあったが、先週の高松宮記念のコパノリチャードが示したように、そんな心配は無用だった。母の父ノーザンテーストの最大の長所である一度にとどまらない成長階段を登る産駒が出現したのである。

 自身がその典型だったダイワメジャーが、産駒に最大の長所を伝えそうなのは、素晴らしいことである。そうして成長する産駒がいるからこそ、わずか3世代の産駒が出走しているだけで、昨2013年の種牡馬総合ランキング4位に押し上げている。今年も目下4位。トップ3突入さえありそうである。

 3歳秋に東京1800mの毎日王冠を制し(2着はいまやトップホースのジャスタウェイ)、2000mの天皇賞(秋)を1分57秒7で0秒4差の5着した総合スピード能力を持つカレンブラックヒルの復活に期待したい。

 相手本線は、先行してしぶとい粘り腰を発揮するだろうトリップ(父クロフネ)と、さすがにここでは凡走するとは思えないコディーノ(父キングカメハメハ)。そして前回中山の1600mで強い勝ち方をみせたレッドアリオン(父アグネスタキオン)の3頭。

 トップハンデでも今回のデキは非常にいいダイワファルコンマウントシャスタ、もう1頭、イメージとは逆に案外渋い馬場をこなせそうなレオアクティブを連下候補と考えた。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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