◆今年はオークスに繋がりそうな一戦 京都のマイラーズCも、夕刻の香港のエピファネイア、アンコイルドも見逃せないが、オークスの馬券展望を考えるとこのフローラSは最重要なレースになる可能性が高い。
噂されるように、桜花賞2着のレッドリヴェールが日本ダービーに挑戦するとなると、ハープスターのオークスの相手、さらには3着馬は、桜花賞の3着以下の上位馬ではなく、このフローラSから生まれると思えるからである。
未知の能力を秘めた馬が多い。中心になる馬を探すのに迷うが、勢いに乗る種牡馬ハーツクライの波を味方にしそうな「
マジックタイム、
ムードスウィングス、
デルフィーノ」に注目。中でもマジックタイムに期待したい。
前回のクイーンCは、確かに早めに抜け出したフォーエバーモアにはまだ余力は認められたものの、馬群をさばくのに手間取り、坂上から猛追したマジックタイムは、脚を余した印象が強い。東京コース向きは明らかであり、距離2000mへの延長もプラスだろう。ブライアンズタイム産駒の母は、03年のこのレースをハナ差2着。大外18番枠の不利を克服し、2分00秒6で乗り切っている。敢えて桜花賞には向かわず、オークスに向けて充電したローテーションは正解だろう。活力にあふれる素晴らしい動きをみせた。
相手筆頭としたいムードスウィングスは、母の父は殿堂入りが叶ったジャパンC勝ち馬エルコンドルパサー。祖母はジャパンC微差2着のファビラスラフイン。そこにジャパンCを2分22秒1で乗り切って2着のハーツクライ。東京2400mの申し子であって当然のような組み合わせである。前回のミモザ賞では今回も対戦する
ハピネスダンサーに負けているが、インに詰まり、さらに外に振られたロスを考慮すると、勝ったハピネスダンサーを今回は逆転して不思議ない。この馬の追い切りも目立って良く見えた。
わずか1戦のキャリアで強気に駒を進めてきた
イサベルは、経験馬相手のデビュー戦の勝ち方が素晴らしかった。いきなり1800mを1分48秒5。強引な印象さえ与えた差し切りで、後続を上がり35秒2で引き離している。東京2000mの17番枠を引いたのは不運だが、発熱の休み明けで、3戦目に日本ダービーを勝った型破りのフサイチコンコルドの一族であり、ともに浅いキャリアで皐月賞を制したアンライバルド、ヴィクトリーも同じ一族。ここで3着以内に入るとオークス出走が可能になるが、3戦目にクラシックを制したフサイチコンコルドの再来があり得るかもしれない、と思わせる素質馬である。3番手評価としたい。
ついで、2000mは2戦2勝のハピネスダンサー。連下に前出のデルフィーノ、キャリアを誇る
ブランネージュ、東京で一変しそうな
マローブルーをマークする。