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天皇賞有力各馬の要点と注目穴馬

  • 2014年05月02日(金) 18時00分


◆ステップレースごとの天皇賞での成績

 今週私があちこちで書いているのが、ステップとなるG2の傾向が以前とは変わってきたということである。

 昔は本番との距離差を反映して阪神大賞典→日経賞→大阪杯の順に天皇賞春では好成績だったのだが、ここ10年は全く逆の大阪杯→日経賞→阪神大賞典となっている。しかも阪神大賞典組はここ10年で1番人気に推された馬が7頭いるのに馬券に絡んだのはディープインパクトだけ。完全に危険な人気馬養成レースとなっている。

 ただ、今年の出走馬でいうとステイヤー色が強いのはゴールドシップ→ウインバリアシオン→キズナの順。走ってきたレースとうまくかみ合わないので悩みどころである。

 キズナは3200mでこそという印象はないが、一方で天皇賞春もきっちり3200mぶんのスタミナを問うことはないレースになってきている。折り合いがつくのは強みだし、2400m戦の延長のノリでレースができるならやはり有力ではないかと思う。
 個人的にこの馬は馬群かラチ沿いで窮屈になることが一番のリスクだと思っているので、京都の外回り、しかも4角でそれなりに脱落馬が出ていて密集隊形にはならないレースは良いと見る。

 ウインバリアシオンは前走が圧巻の強さ。ハーツクライ産駒の成長力を見せつけている。ただ問題点もいくつか。自分で捲りを打てるタイプだが、加速したところで前に突っ張られると負荷がかかりすぎて終いが甘くなりそうというのがひとつ。もうひとつは中京→中山→中山と好走してきたので、いまの京都の路面が合わないのではということだ。

 ゴールドシップはベストパフォーマンスを見せたら強いはずなのだが、やってみるまで分からないのが怖いところ。先述したように阪神大賞典組に過剰人気傾向が見られるので、ヒモには入れるが軸にはしないというのが私の考えだ。

 昨年の覇者フェノーメノはもちろん期待できる1頭。ただ昨年は、自滅した感のあるゴールドシップ以外メンバーは手薄だった。まずは最低でも去年と同じ以上の能力を発揮することが前提となる。

 デスペラードはスタミナと、長距離戦に強い横山典騎手が強み。泥仕合に近いスタミナ勝負になったほうがよいと思うので、もし買うとしたらキズナよりはゴールドシップと組み合わせたい馬だ。

 サトノノブレスは菊花賞2着馬のわりに影が薄い。前走の印象が悪いのだろうが、阪神大賞典組を買うならいっそ負けて人気落ちの馬のほうが面白い。

 個人的に穴で注目しているのがアドマイヤフライト。京都巧者でG2好走歴もあり内枠と、穴っぽい要素は揃っている。かなり気楽な立場なので、思い切った競馬をしてほしいところだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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