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東京芝1600mで逃げ切りはきくか?

  • 2014年05月06日(火) 12時00分


◆ミッキーアイルは「逃げ馬」なのか「強いから逃げ切っていた」のか

 今週NHKマイルCで人気になりそうなのがミッキーアイル。まず間違いなく1番人気だろう。

 同馬について問題なのは、「逃げ馬」なのか「強いから逃げ切っていた」ということなのか、という点だ。

 東京芝1600mは2003年のコース改修後もそれ以前も、逃げ切りが難しいコースである。NHKマイルCはこれまで18回行われてきたが、逃げた馬は[1-1-0-16]だ。逃げ切りを決めたのは2012年のカレンブラックヒルだが、その前に東京芝1600mのG1を逃げ切った馬というと、1988年安田記念のニッポーテイオー。実はこの2頭ですべてなのである。1988年以降のトータルだと[2-3-2-45]となる。

 勝った2頭はともに1番人気馬で、ニッポーテイオーは前年にも1番人気で2着。1番人気馬が逃げた場合の成績は[2-1-0-0]となるので、ミッキーアイルを買いたい人はここを頼りにするのがよいだろう。

 一方で、ミッキーアイルが今回逃げないという可能性もある。「逃げた馬」でなく「前走逃げていた馬」だとどうなるかというと、1988年以降の当該コースG1全体で[1-3-4-63]。1着はエイジアンウインズのヴィクトリアマイルで、同馬はむしろ前走(阪神牝馬S)で打った逃げのほうが意外という馬であった。

 G1だけでなく、2003年以降の東京芝1600m全重賞を対象にした場合はどうか。「逃げた馬」は[2-4-3-56]で回収率は単21%・複55%。勝ったのはカレンブラックヒルと東京新聞杯のローレルゲレイロ。「前走逃げていた馬」は[4-4-4-78]と優勝馬が若干増えるが、回収率は単43%・複57%と低い。

 ミッキーアイルが有力馬であることは間違いないが、データから見るこのコースの逃げ・逃げ馬はかなり厳しいのが事実。WIN5のことなど考えるとハナ差2着も許されない馬だけに、この馬の扱いをどうするかはじっくり考えたいところだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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