◆ミッキーアイルは「逃げ馬」なのか「強いから逃げ切っていた」のか
今週NHKマイルCで人気になりそうなのがミッキーアイル。まず間違いなく1番人気だろう。
同馬について問題なのは、「逃げ馬」なのか「強いから逃げ切っていた」ということなのか、という点だ。
東京芝1600mは2003年のコース改修後もそれ以前も、逃げ切りが難しいコースである。NHKマイルCはこれまで18回行われてきたが、逃げた馬は[1-1-0-16]だ。逃げ切りを決めたのは2012年のカレンブラックヒルだが、その前に東京芝1600mのG1を逃げ切った馬というと、1988年安田記念のニッポーテイオー。実はこの2頭ですべてなのである。1988年以降のトータルだと[2-3-2-45]となる。
勝った2頭はともに1番人気馬で、ニッポーテイオーは前年にも1番人気で2着。1番人気馬が逃げた場合の成績は[2-1-0-0]となるので、ミッキーアイルを買いたい人はここを頼りにするのがよいだろう。
一方で、ミッキーアイルが今回逃げないという可能性もある。「逃げた馬」でなく「前走逃げていた馬」だとどうなるかというと、1988年以降の当該コースG1全体で[1-3-4-63]。1着はエイジアンウインズのヴィクトリアマイルで、同馬はむしろ前走(阪神牝馬S)で打った逃げのほうが意外という馬であった。
G1だけでなく、2003年以降の東京芝1600m全重賞を対象にした場合はどうか。「逃げた馬」は[2-4-3-56]で回収率は単21%・複55%。勝ったのはカレンブラックヒルと東京新聞杯のローレルゲレイロ。「前走逃げていた馬」は[4-4-4-78]と優勝馬が若干増えるが、回収率は単43%・複57%と低い。
ミッキーアイルが有力馬であることは間違いないが、データから見るこのコースの逃げ・逃げ馬はかなり厳しいのが事実。WIN5のことなど考えるとハナ差2着も許されない馬だけに、この馬の扱いをどうするかはじっくり考えたいところだ。