◆内国産4代GI勝ちが懸かるショウナンアチーヴ
ワールドエースが復活して喜んだのも束の間、今度はキズナが戦線離脱となった。オルフェーヴルがターフを去った今年、代わりを務める牡馬のエースとして期待していただけに残念だ。これで凱旋門賞のリベンジも白紙の状態となった。
よく走る血統、よく走る馬の宿命とはいえ、ディープインパクトの一流牡馬はどうもひ弱い。強さのなかに繊細さが同居している。かといって、育成や調教で負荷を与えないで大事に扱えば、成長の伸びを欠く。そこが難しい。
それに比べて牝馬のジェンティルドンナのなんと逞しいことよ。昨秋、ジャパンCで気まぐれ番長オルフェーヴルを、体当たりで弾き飛ばすスケバン刑事ぶりを発揮。今春はドバイシーマクラシックに遠征して、堂々たる走りで戴冠のゴールを駆け抜けた。
今週のNHKマイルCに出走予定のミッキーアイル、サトノルパンたちも、おそらく強さと脆さが同居しているだろう。だが、ディープインパクトの本質はスピードと瞬発力。産駒のワンツーがあっても不思議はない。
もっとも個人的には、ショウナンアチーヴを応援している。ショウナンカンプ産駒のGIの底力が心配になるところだが、母のショウナンパントルは阪神JFを勝ち、最優秀2歳牝馬に選ばれた名牝。近親にもザッツザプレンティ(菊花賞)、ディープブリランテ(日本ダービー)、バブルガムフェロー(天皇賞・秋)といった一流馬がずらりといる。
この母にして、この名牝系の母系なら、GIIのニュージーランドトロフィーに次いで、GIのNHKマイルCも好勝負は可能とみる。母系の大切を教えてくれる馬だ。勝てばサクラユタカオー、サクラバクシンオー、ショウナンカンプに次ぐ、内国産4代のGI勝ち馬が誕生する。それもまたいい。
ロサギガンティアは皐月賞で10着に沈んだが、フジキセキ産駒は東京のマイルコース、むろんNHKマイルCにも強い。イスラボニータが皐月賞を勝った血の勢いもある。やっぱり軽視はできないか。