ゲート難のサトノルパンを名手がどう導く?/トレセン発秘話
◆村山調教師が期待する武豊のゲート術
天皇賞・春で痛恨の出遅れをしたゴールドシップ。一部にはゲート入りの際、係員が尻を押したことが原因で、馬がエキサイトしてしまい、出遅れにつながったのではないか、という話がある。
全ての馬が尻を触られると嫌がるわけではないが、「テンションが上がって興奮している時に、体を触られると嫌がる馬はいる」とは某調教師。
実際、ゴールドシップ自身、蹴る癖がある馬の尻尾につけられる赤いリボンがつけられており、尻を触られることを結構嫌がる馬だそうだ。ゲート入りの際のささいな扶助が、結果的に出遅れを誘発してしまったのだとしたら、なんとも残念な出来事ではある。
ほんの一瞬のロスが致命傷になりかねないレースの中でもスタートは一番重要とされる。今週のNHKマイルCにもここ4走出遅れとスタートに課題を持ったサトノルパンが出走。毎回後手に回りながらも、賞金を積み重ねてきたのだから能力の高さは明らか。もう少しまともに出てくれさえすれば…の期待は高まる。
前走のファルコンS2着後に鞍上がチェンジすると決まった時、陣営の中で真っ先に出てきた名前がスタートのうまい武豊だった。
「こちらとしては出遅れるものと思ってますけど、ユタカさんはゲートが上手ですからね。その辺に期待したい気持ちはあります」と村山調教師。
この中間、陣営は武豊を乗せてゲート練習を2回行うつもりだったが、1回した時点で武豊から「もうこれでいいですよ」という言葉があったのだとか。「あまりやり過ぎると良くないということでしょう。それまでうるさくて出遅れていたのが、ここ2走は逆におとなしくて出遅れている。まだここ2回の方が同じ出遅れでもマシですから」とトレーナー。名手がゲート難のサトノルパンをどう導くか、スタートに注目だ。
(栗東の坂路野郎・高岡功)