◆ここは勝ち切らなければダービーでは厳しい 今週は、日本ダービーの事実上の最終ステップにもなる「京都新聞杯・プリンシパルS・NHKマイルC」の3つが集中して行われる。
京都新聞杯が5月の京都に移った2000年以降、過去14年間のこの直前3レースとダービーの関連は、
【京都新聞杯→ダービー】
2000年アグネスフライト1着→1着(3番人気)
2004年ハーツクライ1着→2着(5番人気)
2005年インティライミ1着→2着(2番人気)
2012年トーセンホマレボシ1着→3着(7番人気)
2013年キズナ1着→1着(1番人気)
【プリンシパルS→ダービー】
2002年マチカネアカツキ2着→3着(6番人気)
2009年アントニオバローズ2着→3着(8番人気)
【NHKマイルC→ダービー】
2002年タニノギムレット3着→1着(1番人気)
2004年キングカメハメハ1着→1着(1番人気)
2007年アサクサキングス11着→2着(14番人気)
2008年ディープスカイ1着→1着(1番人気)
2008年ブラックシェル2着→3着(6番人気)
という結びつきになる。この14年間で、皐月賞から直行のダービー馬が「8頭」もいるから、中2週になる今週の3つのステップレース組は主流グループではないが、14年間で「合計5頭ものダービー馬」を送っているのだから、ことダービーとの関連は思われているより強いといえそうである。連対馬は計8頭いる。
今年、NHKマイルCからダービーに挑戦しようとしている馬は少ないこと。プリンシパルS組は勝たないことには本番に出走の権利が獲得できなくなっていること。この2点を考えると、土曜日の京都新聞杯には大きく注目したい。京都新聞杯2着の賞金加算でもダービーに出走できそうな賞金額の馬はいっぱいいるが、ここまでの記録は、もうそんなにダービーで通用しそうな馬は残っていないから、ここはきっちり勝ち切らないとダービーでは苦しいことを示してもいる。
急上昇の
ハギノハイブリッド(父タニノギムレット)に期待したい。前回の新緑賞2300m2分20秒1は、2003年に現在の東京の芝コースになってからはNo.2の好タイムだった。時計はさして意味はないが、後方から猛然と追い込んで届いただけでなく、3馬身も抜けた力強さが光っていた。父タニノギムレット、その産駒のウオッカ、ちょっと以前のサニーブライアン、ナリタブライアンなどの「ブライアンズタイム系」産駒の最大の特徴は、3歳春のこの時期に急成長を示すこと。だから、クラシック血統なのであり、このハギノハイブリッドも思い切り長所を挙げるなら、ここへきての急上昇である。
牝系はNHKマイルCに出走のキングズオブザサン(母スティンガー)と同じくレガシーオブストレングスから発展する一族。マイラー色が濃いのは確かだが、先週の天皇賞(春)をしんがり18番人気(単勝283倍)ながら、見せ場を作って10着にがんばったサイレントメロディ(母はスティンガーの全姉)が示したように、代を経て、中距離色が濃くなっていると思える。今回の2200mはベストにも近いだろう。
毎回、毎回、今回が9戦目なのにもう8人目の騎手になるあたりが大きな死角だが、脚質は人気の
シャドウダンサー(武豊騎手)とほとんど同じ。ホワイトマズル産駒のこの当面のライバルは、そうは切れないと思える。秋山騎手にぴったりマークの手がある。日本の騎手はみんな自信満々で自分のペース判断を大切にするが、ペリエも、デムーロも、スミヨンも、仕掛けの難しい距離でユタカ・タケの馬が人気になっているレースは「大好きである」。大歓迎だから、好成績を残せる。ときには初歩的かもしれないマーク戦法は、2000m以上では必殺の高等戦術であるように思える。敵は、利用するなら味方である。
3番手は、ステイゴールド産駒ながら、新馬を好タイムで逃げ切り圧勝の
ステイインシアトル。以下、デキのいい
スズカデヴィアス、上がり馬
ミヤビジャスパー、同じく
ロングリバイバル、
サウンズオブアースに流したい。