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人気馬をマークして抜け出す/京王杯SC

  • 2014年05月16日(金) 18時00分


◆東京コースは大得意

 珍しくフルゲート18頭立てにならなかったが、6月8日(日)の安田記念に出走予定の「ジャスタウェイ、ワールドエース、以下ロゴタイプ、エキストラエンド、カレンブラックヒル、ショウナンマイティ、フィエロ…」などが間隔をとったゆったりした日程を選んだためで、このマイラー路線が駒不足などということはない。

 4歳馬が数多く出走してきた。代表格のコパノリチャードは安田記念には向かわない(予定)とされるが、安田記念挑戦の展望がある4歳馬にとっては、ここは重要な1戦。コパノリチャードは賞金獲得額からしてもう別格だが、他の4歳馬は安田記念の週から3歳以上となる「条件再編成」を考えなくてはいけない。

 昨年の安田記念に出走できた4歳馬は、18頭中の3頭だけ。一昨年も5頭にとどまったように、4歳馬の獲得賞金はダービーの翌週からは半額計算になる。この京王杯SCを勝てば優先出走権が生じるが、他は2着賞金加算に成功くらいでは、安田記念出走は難しいと思える。

 今年に入り、阪急杯1400m、高松宮記念1200mをともに独走しているコパノリチャード(父ダイワメジャー)は引き続き絶好調に近い。別定58キロでもとても評価は下げられるものではないが、組み合わせからみて、最近の東京芝1400mで再三出現するスローペースの可能性がある。

 コパノリチャードは東京コースには実績がないから、さすがに阪急杯1400m「前半33秒8-11秒1-後半35秒8」=1分20秒7。1000m通過56秒1ほどは思い切って飛ばして出ないと考えた。控え気味のペースで先行するようだと他馬の付け込むスキは生じる。

 東京芝1400m【3-0-0-0】のエールブリーズに期待したい。まだオープンでの実績はダービー卿CTの0秒1差(4着)しかないが、猛ペースではない1400mなら持ち味の鋭いスピード能力がフルに生きてくる。4走前の東京1400mを抜け出した内容は「前半(推定)36秒2-12秒1-後半33秒1」=1分21秒4という極度にアンバランスな内容だった。最後「11秒5-10秒8-11秒3」=33秒6の直線で一気に抜け出しているから、エールブリーズ(父フジキセキ)自身は推定ハロン10秒台の加速を2ハロンは連続させていることになる。

 母アイリッシュカーリの父はカーリアン。最近は影が薄いが、ブエナビスタ、タイキシャトルなどの母の父である。アイリッシュカーリのいとこには仏GIを制したシーキングザパールがいて、祖母インスローラーは名種牡馬リファールの半妹。この1400m前後でこそ理想の父フジキセキの伝えるスピードを、牝系が倍加させる。人気のコパノリチャードをマークし、好位につけて挑戦したい。

 当然、大本線はコパノリチャードだが、復活をかけるメイケイペガスター(エールブリーズと同じフジキセキ産駒)は、鮮やかに折り合って共同通信杯を1分46秒0で快勝している横山典弘騎手を配してきた。折り合いに死角の少ない距離で、出遅れなければ一変の可能性がある。前回は10着凡走だが、上がりは32秒3。能力に衰えはない。

 人気薄のエールブリーズからの冒険だから、レッドスパーダクラレントアルフレードアミカブルナンバーまで押さえたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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