◆順当な組み合わせにはならない 別定戦のダート1900m。コーナーが4回もある。ふつうに平均ペースで流れると順当な結果がもたらされそうだが、現在のダート界は勢力図がかなり急速に変化し、世代交代も急テンポで進んでいる。
ふつうに考えれば、前回4月19日の「アンタレスS」でニホンピロアワーズを倒した5歳
ナムラビクター(父ゼンノロブロイ)だろうが、そんなに順当な組み合わせではない気がする。
ジェベルムーサ、
ソロル、
ドコフクカゼ、
クリノスターオー、
クリノヒマラヤオー。上昇一途の怖い4歳馬が5頭もいる。
4歳ドコフクカゼ(父ワイルドラッシュ)を狙いたい。前回は珍しく逃げの手に出て5着止まりだが、一応はすんなり主導権は握ったものの、慣れない逃げ作戦で終始後続のプレッシャーを受ける形を気にしているように見えた。あまり良績のない東京で、上がりの勝負(レース上がりは35秒9)の追い比べで差されて5着だが、差は0秒5。とくにバテて差されたわけではなかった。
再注目したいのは前々走。追い込んで今回も対戦するソロルと0秒1差、ジェベルムーサとは0秒0(ハナ)差。直線一気に伸びたものの、ゴール寸前は少し脚を余した印象があった。前回の凡走で人気落ちだが、目下の上昇度を重ね合わせると、能力はまったく見劣らないと思える。追い込み競馬だったが
グランドシチー(9着)には大きく先着している。
勢いに乗ってジャパンCダートを制したトランセンドと同じくワイルドラッシュ産駒。ファミリーもアメリカの典型的なダート一族。ケンタッキーオークスなどを制したネイティヴストリート(父レイズアネイティヴ)から広がる牝系で、一族には平安Sなどを勝ったトーヨーリファール(父リローンチ)、ジャパンCダートを制したフリートストリートダンサー(父スマートストライク)などがそう遠くない近親になる。
ワイルドフラッパー、トウショウフリークなどの先行型がいるので、1900mのわりにはスローにはならないはずであり、フルに追い込む脚が発揮できると考えたい。
同じ4歳の成長株ジェベルムーサ(この馬はどんどん強くなる)と、57キロでも軽視できないナムラビクター、一気に行くはずのワイルドフラッパーが相手本線。
前回は差す脚もみせたトウショウフリーク、ソロル、4歳クリノスターオーが押さえ。