トレセン内で数多い意見「いかにハープといえど楽観できない」/トレセン発秘話
◆圧倒的に内有利な現在の東京芝コース
「今の京都は競輪やで」
年明け初っぱなの京都開催時に佐々木調教師がこんなことを言っていた。例年、1月の1回京都開催は馬場が良くて内の先行馬がそのままのライン、もしくは順序を入れ替えてゴールするレースが多発することを受けての発言で、うまいことを言うものだと坂路野郎も思った次第だ。
さしずめ、先週の東京も“競輪”に近かったと言えるかもしれない。とにかく内の先行馬が残るレースばかり。これにはヴィクトリアマイルにフーラブライド(13着)を使っていた木原調教師も現地でレースを見ていて嫌な予感がしたという。
「芝のレースはほとんど内から1、2、3って感じでゴールだったもんな。案の定、GIも同じようなレース。ウチの馬も脚は使っているんだけど、ああいう馬場でしかも外枠では、ちょっと厳しかった」
なんでも、同じヴィクトリアマイルにゴールデンナンバー(9着)を使っていた鈴木康調教師とともに、単調な展開が続く決着を見て「これではレースが面白くない」と嘆いていたのだとか。
AからBコースに替わったことが大きな要因だろうが、確かに前に行った馬がなんでもかんでも残るレースばかりだと興ざめしてしまうのも事実。せっかく広くて直線の長い東京なのに、そのダイナミックなコース設定がレースに反映されていないのは寂しい気もする。
Bコース2週目となる今週のオークスは果たしてどんな馬場コンディションで迎えることになるのか? 先週と同じような芝なら、後ろから外を回るハープスターにとっては歓迎とは言えない状況だ。
「先週みたいな芝で上がりが速くなれば、いかにハープスターといえど楽観はできない」
こんな意見がトレセン内で数多くあることを強調しておきたい。
(栗東の坂路野郎・高岡功)