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オークス出走各馬をローテーション別にジャッジ!

  • 2014年05月23日(金) 18時00分


◆スイートピーS組は「なんだかんだ言って、来ない」

 ハープスターの二冠がかかるオークス。最初に結論を言うと、同馬はかなり有利な立場だと私は考える。

 仮にハープスターが負けるとしたら馬群に突っ込んで前が詰まるような形だろうが、阪神JFが良い伏線になってそもそもそのような形にはしないことが予想される。大外を差してくるとなると先行勢が残っての差し遅れが問題となってくるが、最近のオークスは先行馬がかなり苦戦している。放っておいても差し・追込が届きやすいレースなので、人気の追込馬はそのぶんリスクが低いということになる。

 新潟2歳Sでの最後方追い込み勝ちはシンメイフジという前例もあることだったが、桜花賞のような坂コースで同じことをもう一度やったというのは驚異的。やはり能力が一枚上ということだろう。距離についても、母の母がベガだしとりたてて不安材料はない。

 桜花賞3着のヌーヴォレコルトは母の父がスピニングワールド、母オメガスピリットが1200mの馬だったという不安材料はあるが、それを言い出したらジェンティルドンナも母は1200mの馬。この馬は安定味があるし、ハーツクライ産駒でまだまだ伸びシロを残しているとしたらそこに賭ける手はある。

 他に桜花賞組というとマーブルカテドラルフォーエバーモアになるが、前者は手詰まり感があるし、距離が伸びて良いという雰囲気もない。後者は崩れたのが前走だけだし、左回り3戦3勝なので、まだ買う余地がある。

 フローラS組は、「人気上位で連対してくること」が本番好走の条件なので、今年のこの組は厳しいということになる。

 敢えて1頭選ぶとしたら、4番人気1着のサングレアルだろうか。キャリアが浅いことも期待感に繋がる。ブランネージュマイネオーラムはキャリアがありすぎていまさら大きく成長することは望みづらい。ただブランネージュのほうはチューリップ賞4着馬で、それ以外のレースは全て3着以内という立場。距離に不安のある馬がすべて止まったときに、この馬が3着というようなことはありえなくもない。

 スイートピーS組は、「なんだかんだ言って、来ない」がおなじみのステップレース。今年はチューリップ賞と桜花賞で2ケタ着順だったシャイニーガールが勝ち馬だし、やはり相当に厳しいと思う。むしろ2着だったベッラレジーナのほうが母ベッラレイアで面白いのだが、ガサのない馬で中2週の再輸送という点がかなりのハンデだ。

 忘れてはいけないのが、皐月賞に出走したバウンスシャッセ。重賞連対→桜花賞大敗→オークス出走という馬はよく穴になるが、桜花賞を皐月賞に置き換えたと考えれば、同様のパターンである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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